学校パラダイム212「ゆとり」のある学校をどうつくるか

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「生きる力」を育むために必要な子どもにとっての「ゆとり」。その「ゆとり」をどうつくり出すか。今学校現場に問われる課題に実践例で答える。


復刊時予価: 1,991円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-162009-3
ジャンル:
学習指導要領・教育課程
刊行:
対象:
小・中
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

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編集のねらい
「ゆとり」ある学校づくりの課題と対策
/児島 邦宏
(1) ゆとりとは〜教師の意識改革
(2) 教育課程の運営
(3) 授業の改善
(4) 学校文化の醸成
(5) 学習の場づくり
(6) 学校・家庭・地域の連携
○ 「ゆとり」のある学校づくりの事例と解説
1 教育課程運営改善を重点にした「ゆとり」づくり
[小学校]
1活動3学習の中のゆとり /石井 学
<解説>心のゆとりが生み出す教育課程 /佐藤 明宏
[中学校]
「生きる力を育む」総合学習の実践 /仲谷 富美夫
<解説>年季をかけ改善し続ける先導的試行 /水越 敏行
2 授業の改善を重点にした「ゆとり」づくり
[小学校]
「ゆとり」を活用したオープン・タイム /斎田 俊行
<解説>個性化教育を追求し続ける緒川小学校 /高浦 勝義
[中学校]
授業改善のための「ゆとり」─気づくゆとり・みつめるゆとり─ /寺岡 英郎
<解説>「モジュール学習」と「合科型自由学習」の視点から「ゆとり」の意味を考える /吉崎 静夫
3 学校文化の育成を重点にした「ゆとり」づくり
[小学校]
文化創造への参加・総合学習 /梅澤 実
<解説>子どもが発見する文化・生活の知恵 /高階 玲治
[中学校]
文化の創造で「心のゆとり」を /岩崎 雅司
<解説>生徒の価値ある生き方づくりにどのように結びつけるか /嶋野 宏典
4 教育環境づくりを重点にした「ゆとり」づくり
[小学校]
学校活動にゆとりの空間を /柴田忠幸
<解説>教育環境づくりを重視した「ゆとり」づくり /三浦健治
[中学校]
生徒主体の教育環境づくり /滝田 文夫
<解説>主体性を育てる豊かな学習環境 /佐野 金吾
5 家庭・地域との連携を重点にした「ゆとり」づくり
[小学校]
“家庭・地域の役割の明確化”がポイント /北村 文夫
<解説>「出来るところからの実践」の積み重ねが必要 /北村 文夫
[中学校]
豊かな交流を礎とした連携を /小沢 誠治
<解説>「開かれた学校」への歩み /宮原 修
「ゆとり」ある学校づくりの文献解題 /羽豆 成ニ

編集のねらい

 子どもは、今を生きようとしている。今を生きたがっている。生きる力は、ゆとりの中で、はぐくまれる。

 何かに追われ、多忙な生活の中では、生きる力を培うことは困難である。大人も子どもも、世の中すべてが、多忙こそが勤勉の証であり、ゆとりは怠惰の別言とされてきた。

 しかし、多忙な生活の中では、考える力も創造する力も、しだいに枯渇し、萎えてきた。指示待ち人間、同調型・集団埋没型人間の増大である。それにもまして、孤独型人間が増加し、今や小・中・高校生の3人に1人が、イライラして夜もろくろく眠れないと訴えている。

 ゆとりは、怠惰や放縦を意味するものではない。ゆとりは、自分を見つめ、自分で考え、判断し、行動するための、時間的な余裕、活動の余裕、精神的な余裕に他ならない。何よりも、自分が自分であり続け、自分を取り戻すための時間であり、活動である。

 授業の中で、考える時間や余裕が求められる。学校生活の中で、共に生き交流を深め、居場所をつくるゆとりが求められる。さらに、学校・家庭・地域社会を含めた生活全体の中に時間を支配し、活動を生み出すゆとりが求められている。

 子どもだけではない、教師にも、親にも地域住民全体にも、ゆとりが不可欠である。子どもを核に、豊かな生活の場をつくり出し、変化の激しい社会を、今を大事に生きていかねばならない。

 ゆとりは、新しい創造の契機である。今を生きようとする子どもに、手助けするところに、我々の責務がある。

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