- まえがき
- T 新学期スタート! 教師の権威が教室に規律を生む
- 一 規律ある教室づくりの最大のチャンス! どんなやんちゃも素直になる「黄金の三日間」
- 1 どの子も「天使」になる「黄金の三日間」
- 2 黄金の三日間に規律ある教室を創る
- 3 黄金の三日間を成功させる準備
- 二 スタートダッシュで規律ある教室を創る@ 出会いの一日で方針を示す
- 1 一日目に方針を示す
- 2 始業式からのながれ(始業式から教室移動まで)
- 3 学級活動
- 三 スタートダッシュで規律ある教室を創るA 国語・算数 最初の授業で指導すること
- 1 国語・算数で学習規律を指導し、ルールを決める
- 2 国語…音読の方法を指導する
- 3 国語…漢字の覚え方を指導する
- 4 算数…ノートの使い方を指導する
- 四 スタートダッシュで規律ある教室を創るB ルールがあるから安定する学級のしくみづくり
- 1 学級に必要な仕事を考える
- 2 給食当番・掃除当番を決める
- 3 一人一役の当番を決める
- 五 備えがあれば心配なし! スタートダッシュで規律ある学級を創る新学期準備
- 1 何をおいてもやるべき五つのこと
- 2 まだまだたくさんある新学期の仕事
- 3 教室環境を整える
- 4 仕事の進め方のコツ
- 六 「赤鉛筆」だから指導が徹底できる 筆箱の中身の指導
- 1 筆箱に必ず入れておくもの
- 2 趣意説明で納得させる
- 3 「アドバルーン」が上がったら
- 七 小さな「差別」も見逃さない 「いじめ」のきざしが見えたときの指導
- 1 いじめにつながる言動は、その場で詰める
- 2 給食の配膳で見られる差別の芽を摘む
- 八 やんちゃな中学年もすっきりできる 〜ケンカの解決法〜
- 1 やってはいけないケンカの解決方法
- 2 ケンカの解決は両成敗で行う
- 3 話を簡単に聞くということ
- U 授業で勝負! 規律ある教室だから学力が伸びる
- 一 教室に規律を生む授業を安定させる基本パターン@ 国語編
- 1 国語の一時間の流れをつくる
- 2 授業開始は、漢字指導から
- 3 音読で、教材を読み込む
- 4 読解指導・ノート作業
- 二 教室に規律を生む授業を安定させる基本パターンA 算数編
- 1 教科書通りに授業する
- 2 例題を指導する
- 3 練習問題をさせる
- 4 計算スキルをする
- 5 百玉そろばんでさらに楽しい授業に
- 三 必ず指導したい学習技能@ 発表・話の聞き方のルール
- 1 話をする前に
- 2 先生に注目させる
- 3 子どもを集中させる話の仕方
- 四 必ず指導したい学習技能A ノートのとり方のルール
- 1 使うノートを指定する
- 2 ノートの書き方の約束を指導する
- 3 ノートの書き方のパターンを決める
- 4 ノートを書くのが遅い子への声かけ
- 五 必ず指導したい学習技能B 正しい座り方・姿勢
- 1 科学的な知識で納得させる
- 2 姿勢をよくする合い言葉
- 3 姿勢を意識させる声かけ
- 六 必ず指導したい学習技能C 教室移動のルール
- 1 趣意説明をする
- 2 教室移動の指導の仕方
- 七 マナーを守って気持ちよく 社会見学・校外学習の指導
- 1 見学先に失礼のないよう、礼儀を指導する
- 2 子どもが熱心に見学する指示
- 3 見学したことを質問し、チェックする
- 4 けがや病気への対応
- 八 子どもたちが混乱しない理科実験の準備・片づけのさせ方
- 1 理科室探検をする
- 2 実験の準備方法の工夫
- 3 持ってきた人が片づける
- 九 短時間ですっきりさせる 机の中・机の横・ロッカーの整頓
- 1 机の中
- 2 机の横
- 3 ロッカーの中
- 一〇 急な出張・休暇も大丈夫 落ち着いてできる自習のさせ方
- 1 子どもだけでできる課題を出す
- 2 質問の出ない課題を出す
- 3 個人差を考える
- 4 事後の処理を考える
- 5 お薦めは「うつしまるくん」
- V システム・ルールがある教室だから落ち着いて生活できる!
- 一 教師がいなくても困らない朝の会のルール
- 1 朝の会がうまくいかない理由
- 2 朝の会のメニュー
- 3 朝の会で連絡帳を書くよさ
- 二 スムーズに準備・片づけができる 給食当番のシステム
- 1 給食の準備・片づけが上手くできない
- 2 誰がどの仕事をするのかをはっきりさせる
- 3 どのようにするのかをはっきりさせる
- 4 仕事がきちんとできているかをチェックする
- 三 どの子も一生懸命頑張る 掃除のシステム
- 1 怒鳴るのは教師が悪い
- 2 役割を細分化する
- 3 教師がチェックするシステムを作る
- 4 やり方を伝達するシステムを作る
- 5 とにかく褒める
- 6 宿泊研修でのできごと
- 四 みんなの協力で快適に過ごせる 一人一役の当番システム
- 1 誰が何をするのか明確にする
- 2 一人一役を運営するシステム
- 3 チェックシステムを作る
- 4 最後のもう一歩の詰め
- 五 子どもが騒がしくならない 雨の日の過ごし方のルール
- 1 することが分からないから騒ぐ
- 2 雨の日に役立つ楽しいゲームあれこれ
- 六 どの子も納得・教師も安心 規律ある学級にするための席替えの仕方
- 1 子どもの席は教師が決めればよい
- 2 席替えには条件をつける
- 3 席替えの方法は、子どもたちが納得すれば何でもよい
- 七 教室もきれいで気持ちよく「さようなら」 帰りの会の仕方
- 1 帰りの会はさっと短く
- 2 帰りの会おすすめメニュー
- 八 子どもたちだけでもできる宿題提出の方法 短時間でできる宿題チェックの方法
- 1 宿題をいつ、提出させるか
- 2 宿題を忘れた子への対応
- 3 宿題忘れのチェックは簡単に行う
- 4 その他の簡単な宿題チェックの方法
- 5 宿題をたくさん出さない
- 九 チェックも簡単 提出物を確実に集める方法
- 1 私の失敗・大混乱の提出物チェック
- 2 教師が指示しながら提出させる
- 3 短時間で終わる提出物の集め方
- 一〇 遊びを通して楽しくルールを教える 五色百人一首
- 1 どんなやんちゃもルールを守る五色百人一首
- 2 ゲームだからルールが入る
- 3 学級の中にルールを確立していく
- 4 ルールを守らせるのは教師だ
- 5 楽しいことにも訳がある
- W ピンチはチャンスだ! トラブル指導で社会的な規範を指導する
- 一 日頃の観察でトラブルを未然に防ぐ
- 1 子どもの様子を見る
- 2 休み時間・一人ぼっちの子調査
- 3 下足入れを見る
- 4 いじめの温床になりそうな場所
- 二 時間を守れない 〜学習に遅れるときの指導〜
- 1 授業開始の一分間で勝負は決まる
- 2 甲本卓司氏の授業開始の場面から
- 3 算数で使える授業開始の活動
- 4 国語で使える授業開始の活動
- 5 社会で使える授業開始の活動
- 6 体育の集合を素早く
- 三 「私の靴がない!」 友だちを大切に考えてほしいときの指導
- 1 物隠しへの対応のポイント
- 2 学級全員で探し、当事者から様子を聞く
- 3 全員を味方に付けながら指導する
- 4 同学年の先生、保護者に連絡する
- 四 イライラして暴れたり、物を壊したりする子への指導
- 1 落ち着かせる 〜A君への対応から〜
- 2 我慢の練習
- 3 物を壊すことへの指導
- 五 廊下の壁に「○○最低」の落書きが! 自分たちの学校や友だちを大切にしてほしいときの指導
- 1 推測でものを言わせない
- 2 落書きは犯罪であることを伝える
- 3 記録を残す
- あとがき
まえがき
昨年、学校から「学習用具のきまり」を出してもらった。
これは、年度末に提案する必要がある。新一年生を迎えるにあたり、保護者の方に持ち物を用意してもらう。
この時に、「学習用具のきまり」を出してもらった。
そうしないとどうなるか。
何年生でシャープペンシルを使ってよいとか、五年生は使っていいとか、学習用具がぐちゃぐちゃになってしまう。曖昧が一番いけないのだ。
四年生を担任した時も、子どもたちから「高学年になったらシャープペンシルを使ってもいいんでしょ」と尋ねてくる。子どもだけならよいが、保護者まで出てくる場合がある。一学期のスタートから学級がぐらついてしまう。
学習用具は、学校の勉強で使う大切な物だ。何でもよいという考えは全く異なる。毅然として学校が保護者等に言うべき事なのだ。一年生の入学の時から学校のきまりとなっていれば、大方の子どもたちにも保護者にも理解してもらえる。
我が校の「学習用具のきまり」(高学年)を紹介しよう。
◎筆箱の中
( )削った鉛筆〈BかHB〉五本(シンプルなもの)
( )削った赤鉛筆一本 ( )消しゴム一こ
( )ネームペン〈油性〉一本 ( )ミニ定規(一〇〜一五センチ)
◎机の中
( )はさみ ( )のり ( )色鉛筆 ( )色ペン
( )三角定規 ( )分度器 ( )コンパス
◎その他
( )下敷き ( )自由帳
学習用具について書いたが、これは規律ある教室を創る大切なアイテムである。一つに限定して闘っていくから勝利することができる。
次に考えなければならないのが学習のきまりである。
ゆるみの症状をいくつかチェックする方法を紹介する。
体操服を忘れてくる子が複数いるクラスは、黄信号が灯っている。
全員帰った教室で、机から椅子が複数出ているクラスも黄信号だ。
チャイムが鳴っても教室に入ってこない子が複数いたら赤信号だ。
こういった約束を守らせる。
その時、できている子を力一杯ほめることだ。
ほめる中で子どもたちは、成長していく。
本シリーズは、多くの先生に役立つ具体的なことを書いている。参考になれば幸いである。
二〇〇八年四月七日 TOSS岡山サークルMAK代表 /甲本 卓司
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- 明治図書