TOSS小事典シリーズ
教師のための危機管理小事典

TOSS小事典シリーズ教師のための危機管理小事典

好評6刷

家庭科の授業中火傷をした、子どもが校内からいなくなった、保護者から通知表の評価の理由を聞かせて欲しいと言われた…学校が説明責任を果たすため必読の書。


紙版価格: 2,000円+税

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-143919-4
ジャンル:
学校経営
刊行:
6刷
対象:
小・中
仕様:
A5判 224頁
状態:
在庫僅少
出荷:
2018年7月18日
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目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 学習指導編
〈校内〉
Q1 理科実験中に爆発があった /大堀 真
Q2 理科授業中に誤って塩酸をあびた
Q3 理科授業中に多量の塩化水素ガスを吸ってしまった
Q4 エネルギー教育で原子力発電を扱ったら組合に加入している職員から抗議を受けた
Q5 体育授業中に跳び箱の着地に失敗した
Q6 体育授業中にボールが顔面を直撃した
Q7 体育授業中に子どもがプールでおぼれた
Q8 体育の授業中ランニングをしていて生徒が倒れた
Q9 家庭科の授業中火傷をした /大島 英明
Q10 学校のパソコンから子どもがHサイトを閲覧した
Q11 忘れ物をとりに教室を離れている間に、子どもが目に傷を負った
Q12 授業中にA子がB子のノートを破いた
Q13 テストのカンニングを注意したら「うちの子がカンニングをしたのは教師が監督をしないで内職をしていたからだ」と抗議された
Q14 国際理解の授業中に、子どもがメール(例えばアジアの国)に相手国を中傷する文章を書いて送信ボタンを押してしまった
Q15 ボランティアで来校した地域の人が、学校の対応が悪いと言って怒って帰ってしまった
〈校外〉
Q1 校外学習で子どもが交通事故にあった /松野 孝雄
Q2 校外学習で子どもが商店の品物を壊してしまった
Q3 保護者から宗教上の理由でけがの治療を拒否されている子どもが校外学習でけがをした
Q4 泊を伴う体験学習で夜中に高熱を出した子どもがいた
Q5 泊を伴う学習で子どもが食中毒になった
Q6 部活の対外試合の引率を保護者が自家用車ですると言ってきた /雨宮 久
Q7 体験学習でグループ行動をさせたら、あるグループが時間になっても帰って来なかった
Q8 肢体不自由な子どもの保護者から、泊を伴う自然体験学習に連れて行ってほしいと言われた
Q9 ボランティアの体験学習で特別養護老人ホームを訪問したら、二度と来ないでくれと言われた
Q10 子どもが体験学習に行く途中で、出会ったホームレスに罵声を浴びせた
U 生徒指導編
〈校内〉
Q1 子どもが校内からいなくなった /松藤 司
Q2 窓ガラスにさわった子どもが落下した
Q3 万引きをしていることがわかった
Q4 靴や傘がたびたび隠される
Q5 遊具(例えばすべり台)で遊んでいて腕を打った
Q6 出会い系サイトにアクセスをして、ふざけた書き込みをしたため、謝罪要求が学校にきた
Q7 校内ランを使って、他の生徒を誹謗中傷するメールが流された
Q8 校内で喫煙している生徒を発見した
Q9 授業中、逆上した生徒が乱入してきた /小林 幸雄
Q10 運動会が近くなると、卒業生がバイクの騒音を轟かせてグランドの周囲を暴走する
Q11 休み時間に携帯電話をかけている生徒がいる
Q12 生徒が、ワン切り携帯電話の着信に電話をしたら一〇万円請求された
Q13 保健室登校の子どもが教室に行ったら、クラスの子から「何でさぼっているんだ」と言われた
Q14 校内にナイフを持ち込んでいる生徒がいるという知らせがあった
Q15 校内でシンナーを吸っている生徒を見つけた
〈校外〉
Q1 女生徒が、学校のパソコンから出会い系サイトにアクセスをして、知り合った成人男性と会っていることがわかった /松原 大介
Q2 女生徒が学校のパソコンでチャットへアクセスをして、知り合った男性と不純異性交遊をしていることがわかった
Q3 生徒が喫煙をしているという知らせがあった
Q4 勤務時間終了後に子どもが交通事故にあったという連絡が、現場にいる人から入った
Q5 生徒がグループで飲酒をして、急性アルコール中毒で救急車で搬送されたという連絡があった
Q6 子どもが行方不明になったという連絡があり、捜したが、見つかったら「担任が嫌いで逃げた」と言われた /長野 藤夫
Q7 生徒が郊外の店で万引きをして、警察に補導されたという連絡があった
Q8 子どもがカード(またはゲームソフト)を売買しているという知らせがあった
Q9 警察から、生徒をバイクの無免許運転で補導したという知らせがあった
Q10 保護者が子どもの現金持ち出しに気がついて聞いたところ、同級生に恐喝されていることがわかった
V 保護者からの苦情・相談編
Q1 算数の通知表の評価がどうしてBなのか理由を聞かせてほしいと言われた /松岡 宏之
Q2 隣の学級は宿題があるのに、どうしてうちの学級はないのか理由を聞かせてほしいと言われた
Q3 習熟度別編成でBになったのはどうしてか理由を聞かせてほしいと言われた
Q4 学習塾で同じ程度のクラスなのに学校の習熟度別編成ではどうして違うクラスになるのか理由を聞かせてほしいと言われた
Q5 隣の学級と学習の進度が異なっている理由を聞かせてほしいと言われた
Q6 「ADHD児の子どもがいて勉強ができない」と子どもが言っているので学級を替えてほしいと言われた
Q7 ネイティブに英語を習っているので、発音がぐちゃぐちゃになるような英会話の授業はやめるわけにはいかないのかと言われた
Q8 体験学習は店に迷惑だからもう来ないでくれと店長に言われた
Q9 離婚が成立していないのに子どもの姓を変えたのはなぜか理由を聞かせてほしいと言われた /竹川 訓由
Q10 保護者から離婚をした父親が訪ねてきても子どもに会わせないでくれと言われた
Q11 保護者から共働きなので、七時三〇分に子どもを校舎内に入れてほしいと言われた(勤務時間開始は八時一五分)
Q12 保護者から通知表をなくしたので再発行してほしいと言われた
Q13 子どもを自習にして、授業をしていない日がありすぎると保護者に言われた
Q14 卒業アルバムの氏名が間違っているので、印刷のやり直しをするよう言われた
Q15 競馬や株の放送が始まると、ラジオを聞きながら授業をしている教師がいると言われた
Q16 「水泳のカードに保護者印がないので水泳をさせられなかった」と子どもが言っていると言われた
Q17 アトピーなのでプールの塩素濃度を下げてほしいと言われた /根本 正雄
Q18 信仰の理由から、クリスマス会、節分、七夕などの行事には参加させないと言われた
Q19 JRC(青少年赤十字)に加盟しているので、「誓いの言葉」を言わせることになっているが、保護者から「誓いの言葉」があるので参加をさせないと言われた
Q20 運動会の日に家族旅行をするので欠席すると言われた
Q21 養護学校で子どもが不慮のけがをしたら、保護者にうちの子どもを見ていないのではないかと言われた
Q22 養護学校で地域の方との交流をしたら、子どもをさらしものにしないでくれと言われた
Q23 頭を打った子どもが、担任や養護教諭に知らせないで帰宅したら、夜になって頭痛や吐き気がして病院に運ばれた
Q24 不純異性交遊で妊娠をしたが、医者は「臨月を過ぎているので堕胎できない」と言っていると言われた
Q25 保護者から、子どもがA高等学校の推薦を受けられなかった理由を聞きたいと言われた
W 管理編
Q1 保護者から、担任が女の子に触っているという話があった /舘野 健三
Q2 女性職員からセクハラの訴えがあった
Q3 法定速度三〇キロメートル超の速度違反で検挙されたという申し出があった
Q4 欠席した子どもがいたので、保護者に連絡したら「登校した」と言われた
Q5 勤務時間前に二階のベランダから子どもが転落した
Q6 欠席が七日以上になる子どもがいる
Q7 不審者情報が教育委員会から継走電話であった
Q8 不審者侵入を知らせるブザーがなった
Q9 借金がかさみ返済できなくなり、職員が行方をくらました /槇田 健
Q10 発送人の記載がない郵便物が届いた
Q11 担任が他の子どもの絵に落書きをした子どもを注意したが反省の表情を見せないので、落書きをされた子どもの気持ちをわからせるために絵を破いた
Q12 子どもの個人情報が入っているフロッピーを紛失したという申し出が職員からあった
Q13 地域の人から、学校週五日制になったのに、平日に買い物をしている職員がいるのはなぜかという電話があった
Q14 給食費の未納が三カ月になる保護者がいることがわかった
Q15 虐待されているのではないかと思われる子どもがいる
Q16 給食の牛乳を飲もうとしたら異臭(例えば塩素)がするという報告があった
Q17 担任による卒業のための積立金の流用が判明した /筒井 厚博
Q18 担任に指導力がないので担任を替えてほしいと学級委員長が言ってきた
Q19 新入生の学級編制で保護者からうちの子をAさんと一緒にしてほしい(しないでほしい)と言われた
Q20 保護者が逮捕された(出所した)という知らせがあった
Q21 いじめられたという遺書を残して生徒が自殺したので、記者会見をすることになった
Q22 学校のホームページに掲載された女の子の保護者から、子どもが見知らぬ人から声をかけられたという知らせがあった
Q23 職員が家族旅行も自宅研修だと言ってきた
Q24 校長は職員会議の決定を無視するのかと抗議を受けた
Q25 校長は職員の校務分担希望や担任希望を聞かないでよいのかという抗議があった

まえがき

 危機管理がされていない教育活動はない。あらゆる教育活動は危機管理があって初めてできるのである。

 例えば、校外活動で子どもを引率するとしよう。

 目的地に到着する場合でも次のようなことがあり得る。

 1. 子どもの列に車が突っ込んでけがをした。まず、何をするか。

 2. 子どもがふざけて列をはみ出したために車に接触をしてけがをした。運転手が子どもをよけるためにハンドルを切った際に、車がガードレールに接触をした。まず、何をするか。さらに、運転手から車の修理代を請求された。誰が、支払うのか。

 3. 子どもがふざけて、他の子どもにけがをさせた。まず、何をするか。

 4. 見学先の品物を子どもが破損した。まず、何をするか。

 詳しくあげれば切りがないくらいである。これら一つ一つに対する対応マニュアルがあるだろうか。

 これら一つ一つに対応できるように研修を受けたことがあるだろうか。

 これら一つ一つに対応できるだろうか。対応はできないけれど、校外学習をしているのではないだろうか。

 これら、一つ一つには、引率をする教師の責任と校外学習を許可した校長の責任が問われる点があるのである。

 このように、教育活動は危機管理が背景になければできないようになっているのだ。にもかかわらず、教育活動が毎日のように行われているのだ。

 お寒い限りである。

 今、議論になっているのがこれである。

 説明責任を果たせという議論である。説明責任は、本来は説明をしたこと(公約)についての結果に対して責任を負うことである。今後は、この意味での結果責任が問われるようになることを覚悟しておいたほうがよい。

ここまでいかなくても、ふだんなにげなくしている教育活動について、保護者から説明を求められるということは覚悟をしておかなければならない。

 1. 文部科学大臣まで宿題を出して勉強をさせようと言っているのにどうして宿題を出さないのですか。

 2. 子どもは勉強がわからないと言っています。補習をしていただけませんか。

 3. どうしてうちの子どもの算数は成績がBなのですか。

 これらについての説明を求められても大丈夫だという教師はどれくらいいるだろうか。大丈夫だという学校はどれくらいあるだろうか。管理職のほとんどはこのような事態が起きることを想定していないかに見える。ましてや、担任をしている教師はなおさらである。

 これらについての説明は、学校体制として対応しなければならない問題なのである。保護者からの説明を求める声は日に日に高まっているのだという自覚が必要だ。

 生徒指導が苦手な教師が増えている。

 どのように、何をしたらよいかがわからないのである。

 1. 子どもがいじめられているという訴えが保護者からあった。当日は、いじめられているという子どもは風邪をひいて欠席をしていた。

   いじめていると名指しをされた三名の子どもを集めて担任は事情を聴いた。その後、生徒指導主任に報告をした。

 この事例は、どこに問題があるのかがおわかりだろうか。一歩間違えば、とんでもない大問題へと発展をしかねない問題があるのである。それは何かである。

 2. 女子生徒がネットを使って出会い系サイトにアクセスをした。そして、男性とメール交換をした。相手の男性が女生徒に会わせろと学校にやってきた。男性は五百キロメートルも離れた遠隔地から来たのだった。

 このようなことが現実に起きているし、起きかねない状況にある。このような場合は、どのように相手に対応するのか。このようなことが起きないようにするためには、どのように、何をすべきなのだろうか。

 生徒指導という概念は根本的な改変を迫られているのである。つまり、生徒指導の中に危機管理意識を持ち込まなければ対応できない事態が頻発しているのだ。

 このような事例に遭遇したとき、対応できるマニュアルはできているだろうか。また、教師は対応できるのだろうか。

 日本は広い。新聞記事を見ると戦後の負の遺産がそのまま継承されている地域があるのには驚く。旧文部省も、都道府県教育委員会も市町村教育委員会も管理職(校長・教頭)も事態を放置していたのだから恐れ入るばかりである。

 いわゆる、組合問題である。組合が不必要なのではない。組合は必要だ。しかし、エゴ丸出しで法を踏みにじるような行為は許されるべきものではない。

 法律違反には断固とした処分をすべきである。これが法治国家のあり方である。管理職が当面する問題であり、これもまた危機管理が問われる。

 このように、危機管理がない教育活動はあり得ないのである。充実した教育活動を行うためにも、危機管理は必要である。

 危機管理小事典が、熱心なやる気のある教師の教育活動を支える手助けとなることを願って編集をした。活用願えれば幸甚である。


  平成十四年十月   /大森 修

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