- まえがき
- 第1章 特別支援を要する子の障害別特性と、効果のある指導
- [1] ADHDの子の特性と、効果のある指導
- [2] アスペルガー症候群の子の特性と、効果のある指導
- [3] LD(学習障害)の子の特性と、効果のある指導
- [4] 自閉症の子の特性と、効果のある指導
- [5] ダウン症候群の子の特性と、効果のある指導
- [6] 肢体不自由の子の特性と、効果のある指導
- [7] 視覚障害の子の特性と、効果のある指導
- [8] 聴覚障害の子の特性と、効果のある指導
- 第2章 特別支援を要する子への有効な指導法QA 学習指導編
- [1] 授業中、後ろで遊んでしまう子がいます。どのようにしたらいいですか
- [2] 字がていねいに書けない子がいます。どのように指導しますか?
- [3] 一人の子につられて、全体が落ち着かなくなるのですがどのようにしたらいいですか?
- [4] ADHDの子どもも夢中になって取り組む地図帳を使ったゲームはありますか?
- [5] 教室でしゃべらない子にはどのように指導したらいいですか?
- [6] いつも授業に遅れてくる子がいます。どのようにしたらいいですか?
- [7] 音読がとても苦手な子がいます。どのような指導がいいですか?
- [8] 授業中に暴言をはく子がいます。どのようにしたらいいですか?
- [9] ADHDの子が、ボーとして集中していない時には、どのようにしたらいいですか?
- [10] 指示してもすぐに動けない子にはどうしたらいいですか?
- [11] 理科の実験の時に、ADHDの子への配慮は?
- [12] 机につっぷしたまま何もしない子がいます。どうしたらいいですか?
- [13] 絵の具で色を塗るとぐちゃぐちゃになる子がいます。どうしたらいいですか?
- [14] 交流学級ではきちんとしているのに、普通学級では甘えてしまう子にはどのように対応したらいいですか?
- [15] 授業中、立ち歩く子がいます。どのようにすればいいですか?
- [16] 出張で担任が不在の時、遊んでしまう子がいます。
- [17] 体育で指示を出しても集合せずに、遊んでいる子がいます。
- [18] 音楽でリコーダーをもたせるとすぐに吹いてしまう子がいます。
- [19] 二年生ですが、ひらがなが充分に書けない子がいます。
- [20] 宿題を出しても全くやってこない子がいます。
- [21] 算数で、定規や、分度器などをうまく使えない子がいます。
- [22] 四年生で、九九の計算ができない子がいます。
- 第3章 特別支援を要する子への有効な指導法QA 生活指導編
- [1] 休み時間になるといつも教師のそばに来て、ひっつく子がいます。
- [2] ADHDの子に、リタリンを飲ませることになりました。どのようなことに配慮すると良いでしょうか?
- [3] アスペルガーの子が、異性の子をさわりたがります。
- [4] 万引きをしてしまった子がいます。どのような指導をすればいいですか?
- [5] 家庭で机の前に座る習慣をつけさせたいです。どのようにしたらいいですか?
- [6] トイレに間に合わずに失敗する子がいます。どのような指導をすればいいですか?
- [7] ADHDの子が、隣のクラスの子とトラブルになります。
- [8] 知的障害の子への掃除指導はどのように行えば良いですか。
- [9] いつも忘れ物が多い子がいます。
- [10] 指示がないと掃除ができない子がいます。
- [11] 中学生で、教室に入ることができずに保健室登校している子がいます。どのように対応したらいいですか?
- [12] IQ五〇程度の知的障害の子どもに将来を見越して行うべき指導はどのようなものでしょうか?
- [13] 学校の本を大切にしない子がいます。どのように指導したらいいですか?
- [14] 学習に目を向かせにくいヤンチャな子がいます。どのような指導がいいでしょうか?
- [15] 知的障害の子どもに係活動を上手にさせるにはどうしたらいいですか?
- [16] 忘れ物をした時、教師の物を借りるのを当然と考えている子がいます。どのようにすれば良いですか?
- [17] 自閉症の子どもに校外学習を計画します。どのようなことに気をつければ良いですか?
- [18] 肢体不自由の子を初めて担任しています。指導で留意することはどんなことでしょうか?
- [19] 自閉症の子で偏食の激しい子がいます。どのように指導したらいいでしょうか?
- 第4章 特別支援を要する子への、各教科、領域での有効な指導
- [1] 国語での有効な指導は何ですか?
- [2] 算数での有効な指導は何ですか?
- [3] 理科での有効な指導は何ですか?
- [4] 社会での有効な指導は何ですか?
- [5] 体育での有効な指導は何ですか?
- [6] 音楽での有効な指導は何ですか?
- [7] 図工での有効な指導は何ですか?
- [8] 総合的な学習での有効な指導は何ですか?
- [9] 道徳での有効な指導は何ですか?
- あとがき
まえがき
教室には、発達障害の子どもたちが存在する。これは、どの学級も例外がない。
教師なら発達障害の子どもについて学ばなければならない。学ばなければ対応を間違い、二次障害を引き出してしまう。
ここで、自分は大丈夫と思っている先生ほど危ない。それは、どういうことかと言うと、教師の出す一つ一つの指示が良くないのに、悪いと自覚をしていないところにある。
「先生は、ちゃんと言ったはずです」
「聞いていないのが、いけないのです」
「何回も聞くんじゃありません」
などと言ったことのある教師は、二次障害を引き起こしていると思ってよい。何でもないことだが、それが、発達障害の子には分からないのだ。
先ほどの例は、分かりやすい。向山洋一氏は、分かりやすい例として算数の場面を取り上げる。
「教科書の三五ページを開いて、教科書の三番の問題をやって、できたら先生のところにノートを持ってきなさい。全部終わったら読書をしていいですよ」
この後、発達障害の子どもは、「先生、何やるの」と質問を返す。こういった場面を教師は経験している。
これは、教師が悪い。分かるように指示をしていないのに子どものせいになっている。教師もプロなら分かるように話さなければならない。それは、授業中の指示であったり、朝礼の話であったりする。
聞かないのは、教師のせいなのだ。
さて、本書は特別支援コーディネーター必携の書となるだろう。
それは、具体的な場面を取り上げた。
もちろん、学校も違い、学年も違えば、同じようにはいかないかもしれない。しかし、成功事例をより多く知っておくことは特別支援コーディネーターとしては最低限の条件となる。本書をめくりながらケース会議を開いても良い。
具体的に何が問題なのか。
そのために何をすれば良いのか。
具体的につめることだ。
ただ漠然と、子どもが悪い、親が悪いと言っていたのでは、進歩はない。
短い時間で、具体的な方針を出す。これは、ケース会議で要求されていることなのである。
本書の執筆にあたったTOSS岡山サークルMAKのメンバーは、岡山で倉敷短期大学教授の平山諭氏から多くのことを学んできた。
セミナーもすでに一二回を越えた。どのセミナーも超満員で大好評のセミナーとなっている。
セミナーでは、QAコーナーが持たれる。その中で次のように質問が出された。
子どもが教室を歩くのですが
この質問に対して、どう答えるか。何回かセミナーに参加した先生はすぐに分かると思う。
子どもの行為には、すべて意味があるのである。
歩くという行為には、どのような意味があるのかを考えなければならない。
それは、その子がわざと困らせようと歩いているのではない。その子の脳がさせているのだ。
ドーパミンが不足しているのか、セロトニンが必要になっているのか。
考えてみてほしい。
本書は、具体的な場面をたくさん紹介している。
多くの先生方の役に立つと思う。
平成二十年六月十六日 TOSS岡山サークルMAK代表 /甲本 卓司
休み時間にひとりぼっちの子にはどうしたら良いか?
などなどの学校生活での指導で困る場面を想定し
、きめわて具体的に対応策が書かれています。
成功事例を知っておくことで、これからの指導に活かせる
ことがたくさんありました。
特別支援コーディネーターだけでなく、特別支援を要する
子への指導で悩んでいるすべての先生におすすめしたい
一冊です。