- はじめに
- 第1章 教師のしかけ1つで子どもはアクティブに学び出す
- 1 「主体的・対話的で深い学び」実現のために
- 2 子どもをアクティブにする授業の「しかけ」
- 第2章 子どもをアクティブにするしかけがわかる!主体的・対話的で深い学び30
- 動物はどこにいる?
- (1年/なんばんめ)
- ぴったりくっついている形,何種類できるかな?
- (1年/かたちあそび)
- 「3」が入らない理由を考えよう!
- (1年/たし算とひき算)
- そのはした,どう表したらいいかな?
- (2年/水のかさのたんい)
- 何が同じで,何が違うのかな?
- (2年/かけ算)
- 交換できるものと,できないものの違いは何?
- (2年/分数)
- どんな数でもきまりが使えるかな?
- (3年/かけ算の筆算)
- 式の意味を図で説明しよう!
- (3年/円と球)
- どうして答えが同じになるのかな?
- (3年/かけ算の筆算)
- どうして商が11ずつあまりが1ずつ増えるの?
- (4年/わり算の筆算)
- 当たりくじってどんなくじ?
- (4年/わり算の筆算)
- どの四角形の対角線かな?
- (4年/垂直・平行と四角形)
- どんな四角形ならしきつめられる?
- (4年/垂直・平行と四角形)
- 九九表の数を斜めにかけると答えが同じに!?
- (4年/計算のきまり)
- 形が違っても広さは同じ!?
- (4年/面積のはかり方と表し方)
- なぜ,3/5の方が大きいの?
- (4年/分数)
- ○方体の体積を求めよう!
- (5年/直方体や立方体の体積)
- 条件に当てはまる小数のかけ算をつくろう!
- (5年/小数のかけ算)
- 合同な形に分けられない理由を説明しよう!
- (5年/合同な図形)
- 16段目のひみつを考えよう!
- (5年/偶数と奇数,倍数と約数)
- ◯,□,△に入る数のきまりを探ろう!
- (5年/分数のたし算とひき算)
- どうすればゲームの結果に納得できるかな?
- (5年/単位量あたりの大きさ)
- 「マイ三角形」で運だめしをしよう!
- (5年/四角形と三角形の面積)
- L字型の面積を求めよう!
- (6年/分数のかけ算)
- 分数÷分数ってできるのかな?
- (6年/分数のわり算)
- 二等辺三角形の辺の長さの求め方を考えよう!
- (6年/比と比の値)
- どちらの携帯会社がお得?
- (6年/比例と反比例)
- 自分の名前でどんな言葉ができるかな?
- (6年/並べ方と組み合わせ方)
- ピザは何種類できるかな?
- (6年/並べ方と組み合わせ方)
- 15秒に近いチームはどっち?
- (6年/資料の調べ方)
はじめに
新しい学習指導要領が発表されようとしています。これまでの過程において様々なキーワードを聞いてきました。今の日本の子どもたちにとって必要な「資質・能力」について語られ,その力を育成するための「アクティブ・ラーニング」が強調されています。
その趣旨はよく理解でき,確かに重視すべき内容と考えます。しかし,問題なのはその先です。主体的な学び,対話的な学び,深い学びを実際の授業で実現するために,教室現場ではどのような指導の工夫をすればよいのでしょうか。実際に,目の前の素直な子どもたちにどんな言葉をかけ,何をどのように考えさせるべきでしょうか。問題提示は,板書は,まとめは…。
志の算数教育研究会では,子どもたちがアクティブに学び,自らの成長を実感して笑顔になる姿をイメージしながら,具体的な教師の役割について考えてきました。
その成果を,「問題提示のしかけ」「指名・発表のしかけ」「発問のしかけ」「板書のしかけ」「まとめのしかけ」という5つの「しかけ」に整理し,提案するのが本書の趣旨です。
授業は,子ども任せにするのではなく,教師が何らかの工夫をすることによって,目標に沿った子どもの姿を意図的に引き出すことが大切であると考え続けてきました。だから,「しかけ」という言葉を使っています。
例えば,画用紙でつくったある図形を見せるときに,封筒からゆっくり引き出せば,子どもたちは必ずと言っていいほど集中して見てくれます。形を全部見せなくても,見えた部分の形の印象を口にします。「とがっているよ」「きっと三角形だ!」「ひし形かな?」。見せ方を工夫することによって,言ってほしい数学的な表現を引き出せるかもしれません。
私たちの考える「しかけ」とは,具体的なものです。授業は,このようなちょっとした工夫の連続であり,そうすることでいきいきと子どもが学ぶ授業ができるのだと信じています。
この私たちの問題提起や実践が議論され,日本の算数・数学教育の改善に少しでも役立てば,日々,算数の授業改善に取り組んできた私たちにとって大きな喜びです。
本書をまとめるにあたり,明治図書の矢口郁雄様に様々な面からアドバイスをいただき,大変お世話になりました。心からお礼を申し上げます。
2017年1月 /盛山 隆雄
また、この本の大分部分をしめているネタが1年生から6年生まで書かれてあるが、算数はネタを生かしてこそ、子どもが輝く部分が出てくるので、さっそく実践したいと思うような項目だった。その際に良かったのが、@ペア、Aグループ、B全体の練り上げのどの部分でできるのものなのか、全体なのかという部分が書かれてあったその視点が良かった。