- まえがき
- 第1章 自分の道を歩み始めるための7つの問い
- 1 「苦手だから」「未熟だから」とあきらめていないか?
- 2 「自分がイメージした通りの自分」になっていることに気がついているか?
- 3 過去のネガティブな経験や感情に囚われていないか?
- 4 「ちょうどよい自分」を決めてしまっていないか?
- 5 自分にブレーキをかける制約に気がついているか?
- 6 理想を描くことができるか?
- 7 未来から現在を考えることができるか?
- 第2章 ゴールに到達するための8つの問い
- 8 目標について自分自身に問うているか?
- 9 それが本当に自分のやりたいことと言いきれるか?
- 10 高い目標を設定しているか?
- 11 目標に到達するための手立てに気づけているか?
- 12 多様な手立てを実行することができているか?
- 13 振り返りと軌道修正ができているか?
- 14 新しい目標への更新ができているか?
- 15 ゴールに向かうステップを意識しているか?
- 第3章 価値ある教師になるための8つの問い
- 16 教師に必要な資質を理解しているか?
- 17 「授業力」の具体的な中身を理解しているか?
- 18 「学級経営力」の具体的な中身を理解しているか?
- 19 「子どもへの対応力」の具体的な中身を理解しているか?
- 20 教師に必要なその他の知識・技能を理解しているか?
- 21 知識と技能の違いを意識しているか?
- 22 自分の人間的側面を高めようとしているか?
- 23 自分の教師力を分析しているか?
- 第4章 自分らしい教師になるための7つの問い
- 24 自分の信念を自分でわかっているか?
- 25 自己イメージを高める言葉をかけているか?
- 26 自由な発想ができているか?
- 27 よい習慣を固定化しているか?
- 28 多面的な視点で物事をとらえているか?
- 29 長期的目標に照らして、今あるべき姿が描けているか?
- 30 理想の教師像を描けているか?
- 第5章 教師としての自分をメタ認知するための9つの問い
- 31 偏りを自覚しているか?
- 32 教師としてのバランス感覚を身につけているか?
- 33 自分に合わせるタイプか? それとも子どもに合わせるタイプか?
- 34 自分が好きだった先生になれているか?
- 35 当たり前の中に潜むおかしさに気づいているか?
- 36 価値のある仕事を自らつくっているか?
- 37 子どもにとって価値のある教師になれているか?
- 38 自分の価値観を自分でわかっているか?
- 39 目標を意識し、その目標に近づけているか?
- 第6章 仕事環境を整えるための6つの問い
- 40 やらなくてはならない仕事に追われていないか?
- 41 短期的な視点だけでなく、長期的な視点があるか?
- 42 今の環境は自分を成長させてくれるか?
- 43 今できる最高の経験から学ぼうとしているか?
- 44 人から助言をもらえる環境に身を置いているか?
- 45 仕事以外の生活のバランスはとれているか?
- あとがき
まえがき
「今の自分は、本当の自分ではない」
そう聞くとびっくりするかもしれません。
今現在、自分で自分と思っている「頭の中の自己像」は、ひょっとすると、本来の自分とはかけ離れているかもしれないのです。
このことを、一つのエピソードを基に考えてみましょう。ある受験生の話です。
自分が行きたい第一志望の大学に向けて勉強していました。
ところが、進路相談で「今の成績では、第一志望は難しい」と言われてしまいました。
そこで、第一志望をあきらめ、別の大学を受験することにしました。
よくある話です。
さて、ここで問題になるのは、第一志望に受かっているのが、本当の自分であったかもしれないということです。
確かに、進路相談の時点では、第一志望は難しい成績でした。
しかしそれは、部活に力を入れていて、受験勉強を始めたばかりだったからかもしれません。
本当は、受験勉強をあと少しすれば、第一志望に受かっていたかもしれません。
ところが、だれかの助言や、成績がよくなかった過去の積み重ねから、「自分には無理そうだな」とあきらめてしまったのです。
つまりは、進路指導によって、「第一志望には受からない自分」をイメージしてしまったのです。
本当は、「第一志望に受かる自分」だったにもかかわらずです。
そして、自分で自分に限界を設定してしまい、ブレーキをかけてしまいました。
このエピソードはよくある話ですが、ここには様々な問題が含まれています。
自己像というのは、自分で決めていること。
そして、他人の助言や過去の経験が影響していること。
また、自分を低く見ていると、考えや行動にブレーキがかかること。
その結果、低い目標にしかチャレンジできないこと。
低い目標だと、低いパフォーマンスしか発揮できず、本当に、「低いイメージの自分」になってしまっていること。
さらにこの「低いイメージの自分」という経験が、さらに「低いイメージの自分」というイメージを強化してしまい、悪循環になっていること。
普段何気なく生活していると、こういった悪循環に気づくことすらありません。
悪循環に陥らず、本当の自分らしい教師になるには、「セルフコーチング」の手法を学ぶ必要があります。
コーチングといえば、コーチがいて、コーチとの対話を通して目標を達成していくことを意味します。
このコーチングを、自分自身に対して行っていく方法が、セルフコーチングです。
セルフコーチングでは、自分以外のコーチはいません。
自分自身が、自分のコーチにならなくてはならないのです。
様々な「問い」を自分に出し、自分で自分を振り返り、軌道修正しながら進んでいくのです。
それができるようになれば、教師人生は劇的に変わります。
二〇一八年一月 /大前 暁政
一度立ち止まって、仕事の仕方、子供への対応をしっかりと見つめ直すことが大事だと気付かされました。
コメント一覧へ