知的障害のある子への<文字・数>前の指導と教材
楽しく学べるシール貼りワーク&学習段階アセスメント表付き

知的障害のある子への<文字・数>前の指導と教材楽しく学べるシール貼りワーク&学習段階アセスメント表付き

好評14刷

重度知的障害のある子へのアセスメント&指導・教材

重度知的障害のある子どもの実態をいかにとらえて(アセスメント)指導に生かすとよいか、教材をキーにまとめた。事例は教育課程上、知的障害特別支援学校の「国語・算数」あるいは「自立活動」に相当する内容で子どもが自ら伸びていく手助けを教師が行うことを目指す。


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ISBN:
978-4-18-063234-3
ジャンル:
特別支援教育
刊行:
14刷
対象:
幼・小
仕様:
B5判 128頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年3月29日

もくじ

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はじめに
第1章 教材を用いたアセスメント
1 子どもの実態をとらえるために
2 教材をどうとらえるか
3 教材を用いたアセスメント
★水口・大高教材アセスメント−解説−
★水口・大高教材アセスメント−チェックリスト−
4 リサイクル素材で作るアセスメント教材
[教材]1 お盆に置かれた筒を取る/ [教材]3 棒に通された筒を抜き取る/ [教材]4 手渡された玉を穴に入れる/ [教材]5 お盆に置いてある玉を取り,筒に入れる/ 教材6 玉を取り,筒に入れる動作を繰り返す/ [教材]8 10本の棒をさす/ [教材]9大きさの弁別をする/ [教材]10 形の弁別をする/ [教材]11 色の弁別をする
第2章 一人ひとりに合わせた教材の工夫
1 シート1段階以前の子どもに対する教材の工夫
〜自発運動を引き出す段階〜
事例1 意識がはっきりしなかったAさんへのにおい・触覚からのアプローチ
2 シート1段階の子どもに対する教材の工夫
〜相手の働きかけに応じて物をつかんだり,放したりすることを目標とする段階〜
事例2 相手のタイミングに合わせて物をつかんだり,放したりすることを目指したBさんへのアプローチ
事例3 相手の問いかけに応じて,決められた場所に物を置くことを目指したCさんへのアプローチ
3 シート2段階の子どもに対する教材の工夫
〜物を弁別することを目標とする段階(枠を手掛かりにして)〜
事例4 相手のペースに合わせることを目指したDさんへのアプローチ
事例5 細かい違いを見分けられることを目指したEさんへのアプローチ
事例6 端から順番に置くことを目指したFさんへのアプローチ
4 シート3段階の子どもに対する教材の工夫
〜見本に合わせて答えを出すことを目標とする段階〜
事例7 絵カードの理解を目指したGさんへのアプローチ
事例8 相手の出題意図を理解して答えることを目指したHさんへのアプローチ
第3章 文字学習につながるシール貼りワーク
1 9段階のシール貼りワーク
2 文字作りシール貼りワーク
おわりに

はじめに

 本書は,重度の障害を持つ方々との「学習を通して学んだ知見」と「学習を行う際に工夫してきた教材」をまとめた書です。

 私は,今から11年前,水口浚先生が代表を務める「障害児基礎教育研究会」に参加しました。それ以来,水口先生が他界するまでの8年間,水口先生の講演にカバン持ちとして同行したり,水口先生が講師を務める「学習の会」に助手として参加したりしながら,障害児教育の基本を学んできました。水口先生は研究会の運営や執筆活動よりも教材を工夫し子どもと学習することに熱心で,「教材を工夫しては,子どもたちと学習をするために色々な場所に出かけ,そこでの反省を踏まえてさらなる教材を作り,また学習に赴く」という生活を繰り返していました。そのため,教材は増えていく一方ですが,その教材を系統的に整理したり,解説を加えたりする作業は一向に進みませんでした。

 私も,水口先生にならい「教材を作っては,子どもたちとの学習を行い,また作っては学習をする」という繰り返しで,文章を書くことには全く無頓着でした。

 そんな我々が,水口先生の考え方を基盤にした「本」を作ろうと一念発起したのは,水口先生が癌に侵されて1年が過ぎ,余命があと数か月となった2006年10月のことでした。私は,2,3日おきに水口先生の病室を訪れ,2時間近く,「本」を作成するための作業に入りました。最初は,水口先生が書いたものを私がパソコンで打ち直す予定で始まりましたが,その時の水口先生は書くことがおぼつかない状態になっており,私が書いた原稿を水口先生が添削する形となりました。

 2007年2月,水口先生が亡くなり作業は中断しました。私は,「水口先生と約束した本をいつか出版したい」との気持ちが常に心の隅にありました。そのため,教材を工夫しては子どもと行う学習と並行して,今まで作製してきた教材を整理し,写真を撮る作業を続けてきました。

 今回,明治図書出版から本書出版のお話をいただき,水口先生と病床で話し合い作成した原稿に手直しを加え,第1章を執筆しました。第2章では,私が特別支援学校や研究会で出会った子どもたちから教わったことをアセスメント表に合わせて紹介しました。さらに,第3章では,今まで作ってきた教材の中で,コピーして使えるシール貼り教材を選択し,アセスメント表の段階に合わせてまとめ,掲載しました。本書のアセスメント表およびシール貼り教材はコピーして多くの方にご活用いただければ幸いです。

 また,本書は特別支援教育に携わって間もない教育関係者の方々や保護者の方々にも分かりやすいように,実践事例と教材の写真を中心にまとめました。この本を手に取られた方々が,今現在,接していらっしゃるお子さん方の実態と照らし合わせながら,参考にできる部分があれば,ぜひご活用いただきたいと思います。


   /大高 正樹

著者紹介

大高 正樹(おおたか まさき)著書を検索»

・東京学芸大学障害児教育学科卒業。

・大学時代にボランティアで自閉症と呼ばれる子どもと出会い,その感覚に共感し,障害児教育を志す。

・大学卒業後,障害児の放課後サークル指導員や心身障害児学級(現・特別支援学級)講師,小学校講師を経て,東京都新宿区立新宿養護学校教諭となる。

・新任教諭時代から障害児基礎教育研究会に参加,水口浚先生に師事し,障害児教育の基礎を学ぶ。

・現在,東京都杉並区立済美養護学校教諭。

・専門は,最重度の子どもから文字・数学習以前の子どもに対する学習指導と教材教具の開発。

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 写真を多用してくれてあるので、わかりやすい
      2017/5/2850代・女性
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