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新学習指導要領 特別支援教育の注目ポイント
教育zine編集部佐藤
2017/4/13 掲載
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 新しい学習指導要領が公開されました。
 今回の記事では、特別支援教育についての記述を中心に見ていきます。

 特別支援教育に関しては、2013年に主に就学先決定に関する手続きの内容が改正された学校教育法施行令、2016年に施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)など制度改正がされてきました。
 このたびの学習指導要領の改訂ではこれら法改正に対応し、共生社会の形成に向けて、個々の子供のニーズをとらえ、能力を最大限まで高める教育が目指されました。

 さて、具体的に特別支援教育では何が変わるのでしょうか。
 
すべての教科で配慮が必要
 一つ目の大きな変更点は、総則だけでなくすべての教科等における指導計画の作成と内容の取扱いにおいて

障害のある児童(生徒)などについては、学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと

という記述が入ったことです。
 通常の学級には、LDなど読み書きが苦手な子どもも在籍しています。
 具体的な教科の中で、例えば国語の教科書教材を読む、漢字を書く、といった場面で指導方法の工夫が求められるようになります。
 
通級による指導と特別支援学級
 二つ目の大きな変更点は、小・中学校学習指導要領総則で、通級による指導及び特別支援学級の教育課程編成の基本的な考え方が示されたことです。
 通級による指導とは、障害の程度が比較的軽度で、通常の学級に在籍しながら、苦手さに応じた特別の指導を特別の場(通級指導教室)で行うことです。
 この指導は「特別支援学校小学部・中学部学習指導要領 第7章 自立活動」の指導を参考に、目標や内容を定めることとなりました。各教科等と通級による指導との関連を図るなど教師間の連携も求められます。
 
個別の教育支援計画と個別の指導計画
 三つ目の大きな変更点は、特別支援学級や通級による指導を受けている児童生徒については個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成し、効果的に活用するよう定められたことです。
 今までも障害のある児童生徒について個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成するよう努める旨記載はありましたが、さらに進めた記述となりました。

 特別支援学校の学習指導要領も知的障害特別支援学校の各教科の目標及び内容に関する記述が大幅に増えました。通常の学校の教育と連続性のあるものとして位置づけられました。

 インクルーシブ教育の流れの中、特別支援教育はますます特別ではない、通常の学級の担任にかかわる教育になってきているようです。

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