著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
学校を動かすのは教務主任だ!
山形県小学校教諭佐藤 幸司
2013/4/26 掲載
 今回は佐藤幸司先生に、新刊『実務が必ずうまくいく教務主任の仕事術 55の心得』について伺いました。

佐藤 幸司さとう こうじ

1962年山形市生まれ。1986年より教職。山形県小学校教師。教育研究団体「道徳のチカラ」代表。温かみを感じる素材でつくる「ほのぼの道徳授業」を提唱し、独自の視点から100を超えるオリジナル道徳授業を生み出している。

―この春に教務主任になられた先生の中には、学級担任との違いに戸惑われている方もいるかもしれません。そんなフレッシュ教務主任の先生がまず気を付けるべきことを教えてください。

 一つは、とても基本的なことですが、返事と挨拶です。自分の仕事だけに没頭していると、つい返事のタイミングが遅れたり、声のトーンが鈍ったりします。また、来校者への対応(あいさつ)の仕方が、イコール学校へのイメージであるということも頭に入れておきたいところです。
 もう一つは、整理整頓です。特に、職員室の机の上はいつもすっきりさせておきます。机上の乱雑さは、仕事の乱雑さを表します。

―教務主任の先生は、多種多様な校務をこなさなければならないと思いますが、うまく仕事をやりくりしていくための佐藤先生流の時間術を教えてください。

 優先順位を決めることです。子供たち(授業)にかかわること、遅れると他の先生に迷惑がかかることを最優先します。提出日(締切日)のある書類作成は、その一日前までに完成できるようにします。一日早く始めれば、完成も一日早まるものです。
 あとは、データをうまく管理して活用することです。転出入関係の書類や月末統計等は、一度ひな形を作成しておけば、その後は一部加筆するだけで繰り返し使うことができます。

―本書でも1章まるまるページが割かれていますが、教務主任の先生にとって教育課程をつくることは1年の中で大きな仕事だと思います。そこで、教育課程をつくっていく際の押さえどころを教えてください。

 まずは、関連する法規を押さえましょう。教育課程の内容は、法によって定められています。本書では、第2章で11項目にわたって教務主任が身に付けておくべき法規の基礎知識について書きました。
 あとは、バランス感覚です。会議は、多すぎても少なすぎてもいけません。行事等に集中して向かう時期があれば、落ち着いて学習に取り組む時期も必要です。この感覚については、自分が学級担任時代に「どんな日程を組んでほしいと思っていたか」を思い出してみるとよいでしょう。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いします。

 教務主任の仕事の最大のやりがいは、自分の仕事で学校全体が動いていくことです。
 ぜひ、教務主任の仕事を楽しんでください。そして、多忙感を越える充実感を味わってください。

(構成:矢口)
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