必ず成功するボランティア・奉仕活動オール実践ガイド
やれば意識は変わる!

必ず成功するボランティア・奉仕活動オール実践ガイドやれば意識は変わる!

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ボランティア&奉仕活動をめぐるQA、先行するアメリカの実践から何を取り入れるか、ボラ・奉仕の実践モデル、サービスラーニング他。


復刊時予価: 2,387円(税込)

送料・代引手数料無料

電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-100412-0
ジャンル:
総合的な学習
刊行:
対象:
小・中・高
仕様:
A5判 136頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
ボランティア&奉仕体験 必ず成功する10の秘訣
T ボランティア&奉仕体験をめぐるQ&A11
1 奉仕の義務化が提案された理由は?
2 奉仕の義務化への批判は何か?
3 奉仕活動は最終的にどうなった?
4 これからボランティア&奉仕体験はどうなる?
5 奉仕体験(社会奉仕体験活動)の課題は?
U 先行するアメリカの実践から何を取り入れるか
――サービス・ラーニングのポイント
1 奉仕の義務化から「学習」としての奉仕へ
2 奉仕的な活動を通して思いやりの心をはぐくむ
3 教科と連携して学力を高める
4 地域への参加を通して市民を育てる
5 振り返りを核とする構造的な学習
V ボランティア&奉仕体験,総合的な学習でこうつくる
1 「総合的な学習」とボランティア&奉仕体験
2 プランニングとカリキュラムの作成
W ボランティア&奉仕体験を取り入れた実践モデル
1 日本での実践例
人に広めるボランティア「できることから始めよう」──小学校中学年「総合的な学習」
地元の海とのかかわりを深める「室津タイム」──小学校高学年(6年)「総合的な学習」
国際ボランティア「今,私たちにできることは何だろう」──中学校2年「総合的な学習」
福祉施設での活動「私の未来,社会の未来を考える」──高等学校3年「公民科」
中高一貫で調査・提案「川を題材とした地域学習」──中学校「社会科」各分野
中高一貫で調査・提案「川を題材とした地域学習」──高等学校「総合的な学習」
2 サービス・ラーニングの実践事例
学校発リサイクル運動「ゴミ問題解決人」──ミドルスクール
私たち自慢の公園「サンドクリーク公園」──ミドルスクール
3 地域との連携をどうする?──地域のボランティア団体が立ち上げた総合学習支援センターの取り組み
X サービス・ラーニングとはどのようなものか
1 アメリカでのサービス活動のはじまりは?
2 サービス・ラーニング,その意義と特徴は?
3 サービス・ラーニングの課題は何か?

はじめに

 2001年夏,学校教育法,社会教育法が改正され,社会奉仕体験活動が,国家の施策として取り入れられることになった。本書は,学校現場でそれをどのように受け止め,具体的に展開していくかという問題意識のもとに作成されたものである。

 周知のように奉仕活動導入が提言されて以来,国民的規模でのさまざまな議論が巻き起こった。それらの議論を踏まえたとき,学校現場では,奉仕活動のもつ問題点や危険性を十分に認識し,その上で奉仕的な活動のもつ教育効果を最大限生かすことができるような取り組みを行う必要がある。そこには,学校がその教育活動の一環として行う意義や内的必然性がなければならない。

 本書は,それをアメリカのサービス・ラーニングの経験と方法を参照しながら提案した。サービス・ラーニングは奉仕的な活動の要素をもち,複数の教科の学習内容と連携し,教科を高め,深めることを要件としている。また,サービス・ラーニングに至る過程において,わが国同様「奉仕の義務化」への批判がおきた。その意味で,サービス・ラーニングは,わが国における,奉仕的な活動と「総合的な学習」の在り方を考える上で大いに参考になるのである。

 筆者がサービス・ラーニングに出合ったのは,数年前のことである。アメリカの社会参加型学習の動向を知るために当地の社会科教育関係者に数十通の手紙を送ったところから始まる。サービス・ラーニングは先進国共通の問題意識から生まれたもので,その背景には,子どもたちが人とかかわりをうまくもつことができない,社会性やモラルが欠如しているなどの社会的な課題がある。現在,サービス・ラーニングは,イギリスなど世界各地に広がりをみせている。

 さて,サービス・ラーニングといっても,実際にはいろいろなとらえ方や実践がある。そこで,本書では,わが国の奉仕的な活動や「総合的な学習」に役立つ部分に限定して参照するようにした。また,社会奉仕体験学習や奉仕活動,ボランティア活動などの用語についても,あえてその異同などには言及しなかった。実践的な書として,奉仕的な要素,ボランティア的な要素をもった体験活動を学校教育にどのように展開するかを重視したいと考えたからである。

 本書がボランティアや奉仕体験学習を展開する際の一助になれば幸いである。

 本書の作成にあたっては,多くの方々の協力を得た。社会参加学習の在り方について幅広い見地からご示唆いただいた筆者の恩師である山次嘉先生(前早稲田大学),貴重な研究成果をご提供いただいた森本直人先生(島根大学),そして,的確なアドバイスと本書を刊行する機会を下さった樋口雅子編集長に心から御礼申し上げたい。


  2002年5月   /宮崎 猛

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