- 提起文 ヤング教師向け あると便利! 算数教育指導用語辞典
- 教師も、もっと学ぼう /田中 博史
- ヤング教師向け あると便利! 算数教育指導用語辞典
- 「数理的な処理のよさ」とは? /間嶋 哲
- 「数の相対的な見方」とは? /高瀬 大輔
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- 「命数法」とは? /尾崎 伸宏
- 量と測定の四段階の指導の系統 /藤田 究
- かけ算の指導のポイントー九九〜筆算まで /木下 幸夫
- 加法減法の意味指導のポイントー入門期 /工藤 克己
- 式の指導のポイント /盛山 隆雄
- 量分数と割合分数の指導のポント /永野 由美子
- 等分除と包含除の指導のポイント /中村 光晴
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- 関数の指導のポイント /藤本 邦昭
- 作図の指導のポイント /夏坂 哲志
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- 文字を使った式の指導のポイント /大野 桂
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- 単位量当たりの意味と指導のポイント /永田 美奈子
- 「演繹」「帰納」「類比」的推論とは? /宮本 博規
- 「形式不易の原理」とは? /尾ア 正彦
- 「算数的活動」とは? /中村 浩司
- 統計の指導のポイントー表・グラフ・資料の整理 /熊谷 純
- 9・10月教材攻略法
- 1年 たしざん(2) /東郷 佳子
- 2年 かけ算 /新保 健介
- 3年 かけ算 /吾孫子 雄希
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- 6年 単位量当たりの大きさ /吉村 智美
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- 副編集長のリレー連載 /山本 良和
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- 田中博史の算数授業づくり講座123 /田中 博史
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- カルタで伸ばす! 読み取る力 聞き取る力 :構成 /田中博史
- 子どものノート :構成 /田中 博史
- 提起文 ヤング教師向け あると便利! 国語教育指導用語辞典
- 若き教師たちへ「今、学ぼう!」 /二瓶 弘行
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- 音読・朗読・語り 用語解説と指導のポイント /片山 守道
- 視写・聴写・暗写 用語解説と指導のポイント /芦川 幹弘
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- 説明文の基本構成(序論・本論・結論) 用語解説と指導のポイント /相澤 勇弥
- 要点・要旨・要約 用語解説と指導のポイント /高橋 啓介
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- 「明日」の国語授業を創る
- 物語 この授業で「言葉の力」をつける
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- 古典・詩・俳句 この授業で「言葉の力」をつける
- 「詩人の時間」で俳句に親しむ /長谷川 みどり
- 漢字 この授業で「言葉の力」をつける
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- 青木伸生の国語教室創造記 /青木 伸生
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算数
[提起文] ヤング教師向けあると便利! 算数教育指導用語辞典
教師も、もっと学ぼう
筑波大学附属小学校 /田中 博史(写真省略)
1 若手教師の増加に現場はどう対応するか
ある研究会での若い先生との会話。
私 「わり算の等分除と包含除の違いを海外では意識していないところもあるんだよ」
若手教師 「等分除と包含除って何ですか」
私 「え…。ほら、わり算で何人に分けるか、何個ずつ分けるかって子どもに教えるでしょ」
若手教師 「あー、「人分け」と「ずつ分け」のことですね」
私 「そんなふうに区別してるんですね」
若手教師 「そうですよ。答えが「人」だと「ずつ分け」で、「個」だと「人分け」です。反対になるんです」
私 「え、そんな区別で教えているんですか…」
若手教師 「だめですか。でもわかりやすいでしょ」
私 「じゃあ、12人を3人ずつのグループに分けます。何グループできますか。という問題にしたらどうなりますか」
若手教師 「……」
笑えないが、本当の話である。
子どもたちがなかなか区別できないから、ともかくすぐに見分けがつくようにと、こうした機械的な区別方法を生み出すことに躍起になっているという。
そして大人まで、その便宜的な言葉でしか理解していないというから、事態は深刻だ。
東京をはじめとして、今、都市部ではものすごいペースで教師が若返っている。
でも、彼らの学びたいという意欲は旺盛である。でも教育書は抽象的で難しいと彼らは言う。
そういえば、算数教育の用語辞典というと、やたら難しいことが満載。
実は、私も学会の用語辞典を編集している立場だが、確かに難解な語句が多く、読んでいるだけで疲れるという若い先生の話はわからなくはない。
そこで、先輩である現場の先生たちが若手教師向けの用語辞典をつくったらどうなるだろうかと考えた。
それが、今回の企画である。
2 本当に力のある人は、やさしくわかりやすく説明できる人
昔から、私はよくこのように言ってきた。
難しいことを難しいままに、書いたり話したりする人は、実はよくわかっていない人である。
本当によくわかっている人は、ちゃんと相手に合わせて、伝わりやすい表現を使って話したり書いたりしてくれる。
だからわからないこと、難しいことを平気で言い続けている人に出会ったら、自分がわからないのが悪いのではなく、わかるように話したり説明してくれないその話し手に力がないのだと思っていい。
同様のことをある企業の社長さんが言っていた。
今の教育界は、子どもに表現力の育成をとテーマにして騒いでいるが、一番表現力がないのは、実は学校の先生たちそのものですよ。
これには耳が痛かった。
普段、現場で先輩風をふかしている諸君。
本当に、若手の先生が読んでわかるように書けただろうか。
本誌には、若手の先生の学びの本をつくるという目的と、同時にこれを書くことで先輩教師たちも自分の表現力を磨くという目的もある。それぞれの学校現場で、先輩の教師たちが、若手の教師たちの質問にどこまで具体的に答えられるだろうか。人が入れ替わる時代、その語り継ぎも大切な課題だと思う。
3 学ばない専門家?
ある研究会で小学校と中学校の先生が集まっていた。ある先生が、中学校の先生の授業を批判したのがことの始まり。
どうやらその中学校の先生は、他の教科や小学校の教師から批判されるのに慣れていないらしく、少し批判されるとすぐに感情的になった。むきになると、論理的思考力が売りのはずの数学の先生が支離滅裂になるから不思議である。でも、いつまでも抽象的な発言を繰り返すので、私も「今日の先生の主発問はなんですか。他の解説はいらないから、用意してあった発問をそのまま述べてみてもらえませんか」
返答はなかった。いや、発問を考えるという発想そのものがないようだった。
その方がその後自慢げに数学の内容を語る姿を見て、その程度の数学は全員、大学を出た先生たちなのだから知っているに決まっているではないか、もしかしてこの先生は、小学校の先生は、教えているのが小学生だから、小学生の算数しかわからないと勘違いしていないだろうかと思いつつ、専門教科をもったつもりになり、聞く耳をもたないこの先生の姿に鎖国時代の日本を見る思いがした。
いわゆる算数や数学の内容だけではなく、指導の技術と、授業を支える教材研究、発問の役割などを知りたいと思ったときに、若手の先生がさっと手に取れるものがあるといいなと思った。
こうして今回の辞典づくりは動き出したのである。今回は指導技術ではなく、教材研究を中心にしてある。
これから教師を目指す人、新任教師たち、さらに今からもう一度学び直したいと思っている人たちが、常に小脇に持って歩ける、わかりやすい辞典にしたいと思う。
この特集をこれから何度か組み、それをまとめて、よりわかりやすい辞典として整理し、いずれは単行本として刊行できたらいいなと夢見ている。本号はその一歩となる。
そのとき、授業づくりの基幹となるものの集大成も実現できるかもしれない。
具体的な指導場面を通して、用語の解説をしてくださっているのでとても分かりやすいです!
教室にも置いておきたい1冊となりました!