学級教育の改革シリーズ6
子どもの放課後改革がなぜ必要か
「放課後の過ごし方」で子どもの人格は変わる?

学級教育の改革シリーズ6子どもの放課後改革がなぜ必要か「放課後の過ごし方」で子どもの人格は変わる?

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子どもの放課後が失われ、こどもたちは居場所を失っている。

子どもの放課後が失われている。放課後の子ども世界は危機的状況にある。手を拱いている場合ではない。TBS記者には米国の実情をふまえ放課後の居場所づくりの具体的提言を、編者は日本の状況と改革論を示した。しかし日米ともまだ打開策は手探り状態にある。


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ISBN:
4-18-131411-1
ジャンル:
学級経営
刊行:
対象:
小・中
仕様:
A5判 168頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

はじめに
T なぜ放課後改革が必要か
1 子ども社会に仲直り文化を復活させよう
(1) 佐世保の事件を繰り返させないために
(2) 仲直り文化を構築しよう
2 今,子どもはどんな体験活動が必要か
(1) 全国子どもプランが投げかけたもの
(2) 中学生が行った職場体験の教育的効果
(3) 山村留学の教育的効果
(4) 通学合宿の教育的効果
3 遊びはなぜ効果があるか
(1) 機能論から遊びの分類
(2) 柳田国男の遊びの分類
(3) 成長論からの遊びの分類
(4) 遊びの効果
U 米国の放課後改革の事例
1 変わるアメリカの放課後
(1) 日本の放課後はこれでいいのか?
(2) 放課後先進都市――ボストンの例――
2 「シティズン・スクールズ」の事例
(1) ある平日の午後
(2) 「WOW!」とは何か
3 「LA's BEST」の事件
4 「アフタースクール・マターズ」の事例
(1) ギャラリー
(2) テック
(3) ワード
(4) スポーツ
5 豊かな放課後に必要な3要素
6 ユニークな米国放課後プログラムとウェブサイトの紹介
(1) 放課後プログラム
(2) 資料豊富な放課後に関するウェブサイト
V 日本での放課後改革の視点とユニークな事例
1 子どもたちは何をすればよいか
2 保護者は何をすればよいか
3 学校関係者は何をすればよいか
4 若者たちは何をすればよいか
5 地域の人たちは何をすればよいか
6 NPOは何をすればよいか
7 企業などは何をすればよいか
8 大学は何をすればよいか
9 政治家は何をすればよいか
10 米国の事例紹介をどう読むか ――川上氏のアメリカからの報告を日本で生かすために――
W 各地で行われている放課後改革のユニークな事例
1 中・高校生が参画する居場所 ――『ゆう杉並』の取り組み――
2 引きこもりの若者の居場所 ――NPO法人ニュースタートの実践――
3 「ヤングジョブスポットよこはま」の事例
4 佐倉市「チャレンジ・通学合宿」の事例
5 渋谷区「ファンイン」の事例 ――地域がつくるネットワーク型子どもの居場所――
6 横浜市の「はまっ子ふれあいスクール」の事例
7 平成16年度子どもたちの放課後懇話会報告書 ――放課後キッズクラブ事業の実施に関する方針――
X 結び―子どもの放課後を豊かにしよう
1 忙しい子どもの出現
2 生活体験の場を確保しよう
3 子どもの居場所づくりの視点
4 家庭,学校,地域の役割分担をしよう
あとがき

はじめに

 子どもの放課後が失われた。放課後の世界は危機的状況である。手を拱いている場合ではない。具体的な施策を提案しなければならない。本書はこうした問題意識に基づき編集した。

 幸いに,子どもの放課後の世界が日本以上に危機的な米国の実情に詳しいTBSの川上敬二郎記者の執筆が得られた。

 米国を2か月ほど調査し,どんな放課後の居場所づくりが行われているか,レポートしてもらった。

 と同時に米国の調査を踏まえ,日本での放課後の居場所づくりへの具体的な提言もしてもらった。

 留守家庭率が7割を超えた米国では,子どもの放課後に対する施策が政治問題化している。放課後の世界が研究レベルでも蓄積され始めていると同時に,行政レベルや民間レベルまでもが具体的なプログラムを提供している。

 日本でも国レベルでは,文部科学省が昨年(平成16年)子どもの居場所づくりの予算を70億円組み,全国で4000か所以上の地域子ども教室を展開している。

 地域ではすでに25年ほど前から東京都世田谷区の羽根木プレイパークが開設されている。遊び場はなるべく自然のままを残し,子どもたちが自由に遊べる空間を用意している。しかも指導員は子どもに事故があったときぐらいに対応する,というスタンスを保っている。

 また同じ世田谷区では3年ほど前から留守家庭を中心とした学童ルームと全児童を対象にした放課後の遊びをミックスした「新BOP」(base of playing)という名称の事業を行っている。

 横浜市は10年ほど前から353の小学校すべてで全児童を対象にした放課後の遊び場(はまっ子ふれあいスクール)を提供してきている。

 しかし日米とも子どもの遊び場づくりは手探り状態というのが実情である。

 そこで本書では,まず明石がなぜ放課後改革が必要かの問題提起をしている。

 次に米国の放課後の居場所づくりの先進的な事例を川上氏が報告している。

 そして三番目に川上氏が米国の事例を参考にしながら,日本の放課後改革の視点を提案している。

 さらに,具体的な日本のユニークな放課後の活動事例を紹介している。

 一つは,鈴木氏による中高校生の参画から興味深い活動を展開している「ゆう杉並」である。

 二つ目は,二神氏による引きこもりの若者を元気づける活動をしているNPO法人ニュースタートである。

 三番目は,岩永氏によるフリーターといわれる若者の居場所となりつつある「ヤングジョブスポットよこはま」の事例である。

 四番目は,金木氏による通学合宿といわれる小学生を中心とした衣・食・住の宿泊体験活動の事例である。

 五番目は,相川氏による地域がつくるネットワーク型の「渋谷のファンイン」の事例である。

 六番目は横浜市の全児童を対象に行ってきている放課後の居場所である「はまっ子ふれあいスクール」の事例である。

 最後に資料編として,横浜市が留守家庭の児童と全児童をミックスした「放課後キッズクラブ」のプログラムと職員研修のあり方を転載している。

 本書は必ずしも最初から読む必要はない。読者の興味関心と問題意識によってどこから読み始めてもよい。それぞれが一つのまとまりを持っている。


   /明石 要一

著者紹介

明石 要一(あかし よういち)著書を検索»

1948年生まれ,大分県出身,東京教育大学大学院博士課程終了,教育社会学専攻,平成5年千葉大学教授,現在千葉大学学部長,平成15年文部科学省中央教育審議会スポーツ青少年部会臨時委員

川上 敬二郎(かわかみ けいじろう)著書を検索»

1973年生まれ,東京都出身,慶應義塾大学経済学部卒,1996年東京放送(TBS)入社,ラジオ制作,報道局「ニュースの森」,社会部記者を経て,「イブニング・ファイブ」担当ディレクター

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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