- 刊行にあたって
- T 総合的な学習のカリキュラムをどう展開するか
- 1 総合的な学習のねらいとその内容
- (1) 教育の改革と意識と発想の転換
- (2) ねらいとその内容の視点
- 2 総合的な学習のカリキュラム開発
- (1) 総合的な学習は学校づくりの柱のひとつ
- (2) 時間設定は弾力的に
- (3) 教科とどうクロスしていくか
- (4) 学習形態や授業づくりに発想の転換を
- (5) 地域や施設を生かす
- (6) 特別活動や学校行事とどうクロスするか
- (7) 総合的な学習をどう展開していくか
- 3 総合的な学習の単元構成・授業づくりにどう取り組むか
- (1) 総合的な学習の単元構成の考え方
- (2) 授業づくりへの視点
- 4 総合的な学習を中心とした時間割・日課表をどう弾力的に運用するか
- (1) 新しい視点としての時間割・日課表の弾力的な運用
- (2) 生きる力の基盤づくりとしての「時間観の転換」
- (3) ノーチャイムによるブロック制の時間割・日課表編成への移行
- (4) 子どもと共につくる時間割
- (5) 一時期集中型・限定型・継続型の時間割の効果的な活用
- 5 総合的な学習と教科学習との相互関連をどう図るか
- (1) 各学校の教育課程全体を子どもを主人公にしてどう再編成するか
- (2) 総合的な学習と教科学習の相互関連をどうとらえるか
- (3) 個別教科の学習の成果を総合的な学習へとどう発展させるか
- (4) クロス・横断型の学習と総合的な学習の効果的な連携を
- U 総合的な学習のテーマをどう設定するか
- 1 子どもの身近な興味・関心に基づく課題
- ――多様な役割に立った興味・関心の追究を――
- (1) はいまわる実践
- (2) 世田谷まちづくりセンターの取り組み
- (3) 町を見る眼をかえてみよう1――年齢や立場でわける――
- (4) 町を見る眼をかえてみよう2――立場に機能を付け加える――
- (5) 問題追究のための見方・考え方の保証
- (6) 子どもの追究をいかに支援するか
- 2 地域や学校の特色に応じた課題
- ――IT革命時代の新しい「地域学習」の発想――
- (1) 地域の特色に応じた実践の問題点
- (2) 環境拡大原理を考える
- (3) 仙台市芦口小学校の実践から
- (4) インターネットを採り入れた地域学習
- (5) 「地域学習」の新しい発想を
- 3 国際理解
- (1) テーマ設定のための座標軸
- (2) 文化を学ぶ――異文化理解と多文化主義
- (3) 相互依存を学ぶ――グローバリゼーション
- (4) 地球的諸課題――課題解決にむけて
- (5) 未来への選択――グローバル時代のくらし創造
- 4 外国語会話学習
- (1) 2つの変化
- (2) 英語学習としての「総合的な学習」
- (3) 国際理解(異文化理解)としての英語学習
- (4) 国際理解(多文化理解)としての英語学習
- (5) 英語以外の外国語会話学習
- (6) コミュニケーション能力の育成と「総合」
- 5 環境
- (1) 学習テーマ設定の基本条件
- (2) 環境学習の内容的視点から
- (3) 環境学習の方法的な視点から
- 6 情報
- (1) はじめに
- (2) 情報学習のねらい
- (3) 情報活用の実践力
- (4) 情報の科学的な理解
- (5) 情報社会に参画する態度
- (6) おわりに
- 7 福祉
- (1) 「福祉」の見方や考え方
- (2) 福祉の学習のマクロとミクロの視点
- (3) 子どもたちの力を福祉に生かす
- 8 健康
- (1) 総合的な学習における健康の基礎基本的な考え方
- (2) 健康の学習において身につけるべき資質や能力
- (3) 健康教育の指導計画
- (4) 留意点
- 9 ジェンダー問題を学ぶ
- (1) ジェンダーについて学ぶということ
- (2) 現代日本のジェンダー問題と学習課題
- (3) ジェンダー再生産の機構
- (4) ジェンダー再生産の場としての学校
- (5) 学習の場の設定
- 10 消費者教育
- (1) 消費者教育の基本的な考え方
- (2) 消費者教育の実践
- (3) 消費者教育の授業計画
- (4) 消費者教育の課題
- 11 将来の生き方や進路選択課題
- (1) 共通学習+選択学習+総合的な学習から
- (2) 「何者であるか」を育てる
- (3) 「何者かでありたい」を育てる
- (4) 「子どものなかに生きた人間を見よ」
- V 総合的な学習の学習活動をどう構成し展開するか
- 1 問題解決的な学習
- (1) 問題解決的な学習とは何か
- (2) 問題解決的な学習の意義
- (3) 問題解決的な学習の展開
- 2 自然体験活動
- (1) はじめに
- (2) 環境教育としての自然体験活動
- (3) 環境教育におけるスキル
- (4) 自然体験活動の事例
- 3 観察・実験
- (1) はじめに
- (2) 観察・実験のポイント
- (3) 観察・実験の事例
- (4) おわりに
- 4 見学・調査
- (1) はじめに
- (2) 単元の導入段階における課題発見のための見学・調査のポイント
- (3) 単元の展開段階における仮説検証のための見学・調査のポイント
- (4) おわりに――教師による事前の見学・調査の大切さ――
- 5 発表・討論
- (1) はじめに
- (2) 単元の導入段階における課題整理のための発表・討論のポイント
- (3) 単元の展開段階における仮説吟味のための発表・討論のポイント
- (4) おわりに
- 6 ものづくり・生産活動・社会体験活動
- (1) ものづくりを通して学ぶこと
- (2) ものづくりを取り入れた学習
- 7 ボランティア活動
- (1) ボランティア活動とは何か
- (2) ボランティア活動の学習論的意義
- (3) ボランティア活動の展開
- W 総合的な学習の学習環境をどう整えるか
- 1 総合的な学習のための開かれた学校・家庭・地域の連携をどう進めるか
- (1) 「真の学び舎」を目ざす学校・家庭・地域の連携・融合
- (2) 学校・家庭・地域の連携・融合と総合的な学習
- (3) 問われる学校・教師の意識と姿勢
- 2 カリキュラム開発や学習指導のための教師の協働体制をどうつくるか
- (1) なぜ協働体制が必要か
- (2) 協働体制づくりをどう進めるか
- (3) 協働体制づくりの課題
- 3 総合的な学習のための学校施設や学習環境をどう整備するか
- (1) コンピュータの整備
- (2) 学校図書館の整備
- (3) 学習環境の整備
- 4 小学校「生活科」との関連をどう図るか
- (1) はじめに
- (2) 生活科における子どもの主体性
- (3) 子どもの「授業構成能力」の発展を
- (4) おわりに
- 5 中学校「選択教科」との関連をどう図るか
- (1) 選択教科とは
- (2) 総合的な学習と選択教科との共通点
- (3) 総合的な学習と選択教科との相違点
- (4) 選択教科との関連づけの工夫
- 6 高等学校の総合的な学習をどう構想し展開するか
- (1) はじめに
- (2) いま自分の学校での課題は何かを探ること
- (3) 総合的な学習の学習形態はどのようなものか
- (4) 何を軸として総合的な学習をつくるか
- 7 総合的な学習のための新しい評価のあり方をどう工夫するか
- (1) 子どもの支援に生かす評価のあり方
- (2) 総合的な学習における自己評価活動
- 8 カリキュラム評価・学校評価のための自己点検システムをどうつくるか
- (1) 総合的な学習のカリキュラム評価の視点
- (2) 総合的な学習のカリキュラム評価を生かす自己点検システムづくり
- X 実践事例
- 総合学習「BIWAKOTIME」と「HUMANTIME」の取り組み
- (1) 滋賀大学教育学部附属中学校の教育課程
- (2) 本校の「総合学習」の基本的な考え方
- (3) 総合学習「BIWAKOTIME」の実践
- (4) 「HUMANTIME」の実践
- (5) 成果と課題
刊行にあたって
この『総合的な学習ヒット教材集』第2〜5巻の実践編は,小学校・中学校・高校の先生方が実際に実践して,子どもたちが瞳を輝かせ,生き生きと活動し,教育的意義のある教材を集めたものです。
総合的な学習は子どもの主体性と地域性を生かした,自然体験,社会体験,観察・実験,見学,調査などの活動を通した探究型学習,解決型学習,ものづくりや体験型学習などさまざまな展開があります。
また総合的な学習は,子どもと教師の協働の中で成り立つもの。大きな構想は教師が描いているが,子どもの考えやひらめきを大事にし,子どもが主体になる活動を見守り,どう支援していくかが課題です。
そのような学習を展開していくには,子どもだけでなく教師の側の豊かな創造性と柔軟性,大幅な発想や意識の転換,それに事前の調査・研究が必要です。もう一つ大事なことは,教師間の協力体制です。
この本の教材は,誌面の関係で概要や骨組みだけに簡略化されたもの,地域独特の取り組み,遠大な構想で取り組んだものもあればワンポイント的なものもあります。この教材集は,このとおりに実践してくださいというマニュアル本ではありません。この教材集をヒントに読者のみなさんが,子どもの実態や地域の特色をイメージに描き「ここはこうしたら,おもしろくなりそうだ」「そうだ,あれが利用できそうだ」というように,創造的,発展的に組み替えて,自分独自の教材に創り上げていってほしいのです。深く知りたいときは,専門書で調べたり,研究・調査をしながら構想を練ってほしいのです。そこから,素晴らしい総合的な学習の構想や実践が生まれてくるのです。
また総合的な学習の基本的なこと,授業の構想・展開,理論的な裏づけには「第1巻 基本と展開編」を参照してほしいのです。
子どもたちが瞳を輝かせるような総合的な学習を通しての授業づくり,学校づくりの実践を共に創っていきたいものです。
この本の出版にあたり,明治図書の石塚嘉典,大場亨,橘亜希の諸氏,イラストにおいては松村京子さんにお世話になりました。誌面を借りてお礼を申し上げます。
2001年3月 編 者
-
- 明治図書