- まえがき
- 1 「何事も 子どもが一番 おとなは二番」
- ◎こくっぱの母
- 2 「自分の考えで」
- 〜さまざまな支援を受けて育つ自信を大切に〜◎まつこ
- 3 Web座談会
- 4 Web一行日記(子ども編・生活編)
- 5 「担任と三人四脚の子育て」
- 〜ある保育園での取り組み〜◎朝倉玲
- 6 「混沌の要塞屋敷にて」
- 〜自閉症児と生活するということ〜◎ひいろ
- 7 ありふれ(てないかもしれない)日常 (4コマ漫画)
- 8 Webアンケート〜親・当事者の思い〜
- 9 「Never Give Up─あきらめないで」
- 〜アメリカから日本へ,自閉症の息子と歩いた道〜◎ちびくまママ
- 10 「ニーズに応える場」
- 〜通常の学級・障がい児学級・通級教室の担任,担当をして〜◎M
- 11 【特別寄稿1】通常の学級での支援
- ◎プラスプラス
- 12 お薦めのホームページのURL
- 13 【特別寄稿2】複眼でなくてはわからないこと
- ◎自閉連邦在地球領事館附属図書館 /ニキ・リンコ
- 14 【特別寄稿3】御タヌキ様たちのこと
- ◎理解to理解(ペンギンくらぶホームページ) /落合 みどり
- あとがき
- ◎茨城大学教育学部(障害児教育講座)教授 /東條 吉邦
まえがき
ホームページ「ことばと発達の学習室」は公立小学校の通級指導教室担当Mの学習の場として1998年の6月に開設しました。児童の個人情報保護のために匿名でのスタートでした。設置した掲示板には,自閉症スペクトラム,言語発達遅滞,LD,ADHD,聴覚障害等の情報を求めて多くの親御さんの訪問があります。この本の出版企画委員会のメンバーもその訪問者です。掲示板を支えてきたスタッフとの表現のほうが適切かもしれません。最古参の面々ですが,実は他にも強力な訪問者が大勢おられることもつけ加えておきたいと思います。
『とことんこのこにこだわって』という書名には熱い思いが込められています。すなわち,自閉の子たちの好きな言葉遊び,文字遊びを取り入れたい。「こだわり」という,ともすれば悪い意味に取られがちなことをいい意味で使いたい。また,特別支援は,「この子」「この個」「子の個」か「個の子」への支援でもあるとの論議を経ての命名というわけです。
掲示板には,自閉症スペクトラムをはじめとする当事者の訪問も多いです。寄稿をお願いした翻訳家のニキ・ リンコさんやペンギンくらぶの落合みどりさんからは,当事者の視点での貴重な話をたくさん聞かせてもらいました。
この本は,主には指導者に読んでいただきたい本です。あとがきは教育学部の教授で自閉への理解が深く,何よりも保護者の原稿にも真摯に目を通していただける先生にということで,東條吉邦先生にご無理をお願いしました。
尚,この本の共著者6人の分担した章と対談では,診断名や法などの固有名詞以外は,あえて「害」を使わずに「がい」を使わせていただきました。
多くの方の力で完成したこの本が,より多くの方々に読んでいただけることを願っています。最後になりましたが,Webからの発信という私たちの企画に耳を傾け,お力添えいただいた明治図書の三橋由美子さんに心より感謝申し上げます。
2005年7月 編著者