Eduマガのヨミカタ
毎月発行される教育雑誌の中から、その時期にぜひ読んでほしい厳選記事をご紹介するコーナーです。
子どもの将来を考えよう―成年後見制度と意思決定支援―
LD,ADHD&ASD 2017年1月号
教育zine編集部広川
2017/1/11 掲載

『LD,ADHD&ASD』2017年1月号の特集テーマは、子どもの将来を考えよう―成年後見制度と意思決定支援―です。

 今から12年前、2005年の発達障害者支援法の施行から、LD、ADHDやASDなどの発達障害が初めて支援の対象になりました。当時、小・中学校で支援を受けていた児童・生徒の多くは学校を卒業し、今どこで何をしているのでしょうか。

特別な支援が必要な子どもたちは学校を卒業した後、どんな支援が受けられるの? 誰が支援をするの? 就職はどうするの? お金の管理はどうするの?
 
 本号では、そんな「学校を卒業した後」に子どもたちが歩む道のりを、福祉、就労、保護者などの様々な視点から紹介しています。学校を卒業した後には、自分のことを自分で決めなければならないことが多くなります。成年後見制度は、本人の意思決定を尊重し、支援してくれる人物と支援の範囲をあらかじめ決めておく制度です。

 学校での支援事例は、高等学校での就職支援を取り上げています。
 ある事例では、生徒本人は、学校で問題なく生活できていることから、一般枠での就職を希望しましたが、医師からは学校同様の手厚い支援が受けられなくなる可能性が高いため、障害者枠での就職を進められました。
 学校が外部機関と連携し、生徒の客観的な自己分析を支援することで、生徒が自身の意思で就職先を決定する姿が印象的でした。

他にも

・就職したが、職場で人間関係がうまくいかない
・携帯サイトの詐欺にあってしまった
・親なきあとの支援を任せられる人がいない

など、本書内で取り上げた事例の一部ですが、どれも、切実な問題です。

 ぜひ、本書を手に取っていただき、子どもたちの人生の大きな決断をどのように支援するのか、子どもの将来について一緒に考えてみませんか。

コメントの受付は終了しました。