著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
障害のある子とのクラスづくりを12か月フルサポート!
東洋大学宮ア 英憲
2017/3/24 掲載

宮ア 英憲みやざき ひでのり

東洋大学

―本書は、特別支援学校や特別支援学級ではじめて担任することになった先生向けの書籍とのこと。若い先生が増える今、そんな先生方にどんなことを期待されますか?

特別支援学校や特別支援学級で学ぶ子どもたちの学びの充実を支援できることは担任教師の務めです。若い先生といえども強く求められます。そのため、担任は、子どもたちの学ぶ場としてふさわしい学級経営が求められます。この学びの充実を実現できる学級経営とは、

  1. 障害のある子ども一人一人に応じた指導ができること
  2. 自立や社会参加を目指した指導がされること
  3. 幼稚園、小・中・高等学校の教育内容の連続性を重視した教育に対応できること(最近、インクルーシブ教育システムの推進という文言が使われています)

などがあげられます。先輩の先生に学びながら、教育界の動向をしっかり見据えた先生になって欲しいと思います。

―学級経営で知っておきたい内容にはどのようなことがあるのでしょうか? 本書ではどのように整理してとりあげてあるのでしょうか?

 学級経営の具体的な内容を便宜的に整理すると、学級事務、子ども理解と仲間づくり、環境づくり、健康と安全、学習指導(個に応じた指導)、教育評価、キャリア教育、進路指導などにわけることができます。これらの内容は年間を通じて見通しを持ちながら実施する必要があります。そこで、本書では4月から3月までの時系列に沿ってこれら内容を取り上げました。子どもたちの学ぶ場としてふさわしい学級経営の一助となるよう構成してあります。是非、役立ててください。

―1章では、新学期の準備や最初の1週間についても取り上げてあるようですが、新年度の最初の1週間というのは、クラスづくりにとって大切な時期なのですね。はじめての新年度を迎えられる先生に一番気にしてほしいのはどんなことでしょうか?

 学校現場に着任したその日から最初の一週間は、何もかもが新しい出来事の連続です。先輩の先生に学びながら、仕事を進めることになりますが、何をどのようにどう処理をすればよいか混乱してしまうものです。また、自分にはこの仕事が向いていないと短絡的に考えて落ち込んでしまいがちです。誰もが通る道です。
 本書では、特別支援学校や特別支援学級別にどのようことをどのように処理したら良いかについて、最初の一週間について詳細に学ぶことができます。子どもとの関係づくりで極めて大事な時期でもあります。是非、学級づくりに役立ててください。

―最後に、特別な支援を必要とする子どもたちにかかわる先生方へエールをお願いいたします。

 教職への一歩を踏み出す若い先生方が、着実に指導力を身につけ、学校・地域社会を支えていく子どもたちの成長・発達をしっかりと支援できる先生として育っていかれることを切に願っています。
 本書が、少しでもそのためにお役に立てれば、嬉しく思います。

(構成:佐藤)

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