著者インタビュー
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悩みある先生方へ「折れない心」のアドバイス
京都文教大学准教授大前 暁政
2014/3/3 掲載
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  • 教師力・仕事術

大前 暁政おおまえ あきまさ

昭和52年生まれ。岡山県の公立小学校教諭を経て、京都文教大学の准教授(理科教育)として赴任。理科の授業研究が認められ「ソニー子ども科学教育プログラム」に入賞。著書に、『プロ教師直伝! 授業成功のゴールデンルール』『プロ教師の「子どもを伸ばす」極意―学級&授業づくりマスターBOOK―』『スペシャリスト直伝!板書づくり成功の極意』『スペシャリスト直伝!理科授業成功の極意』(以上、明治図書)、『必ず成功する!授業づくりスタートダッシュ』(学陽書房)、『NHKおじゃる丸 クイズでおじゃる 目指せ小学校クイズ王』(執筆協力、NHK出版)などがある。

―本書は「プロ教師の「折れない心」の秘密―悩める教師への50のアドバイス―」というテーマです。先生がこのテーマでご執筆された、そこに込められた想いについて教えて下さい。

 同じ状況でも、頭を悩ます教師と、楽観的に考える教師がいます。
 それは、教師としての心のもちようが違うからです。
 プロの教師たちは、授業や学級経営の力量が高いばかりではありません。
 プロ教師は、「教師としての心・考え方」も優れたものをもっているのです。 
 本書は、プロの力をもった先輩方のアドバイスを集めたものです。
 どの言葉も、きっと、「教師としての心」を育てる糧になることでしょう。

―本書には悩める先生方の支えとなるアドバイス・助言が豊富におさめられています。大前先生が実際に先輩方からいただいた言葉も多くありますが、本書を読む必要性はどんなところにあるのでしょうか。

 教師の仕事は、過酷になっています。
 精神疾患による病気休職者の割合は、10年間で約3倍(※)になりました。
 教師になってたった1年で、教壇を去る人もいます。今や教師は、心を鍛えることなしには、勤まらない仕事となっています。
 アドバイスの中には、厳しい言葉もあります。「良薬は口に苦し」と言います。
 先輩からのアドバイスは、耳あたりのよいものばかりではありません。
 ちょっと我慢して読み進めてもらうと、きっと深い意味があることに気付けるはずです。
 「目から鱗」といった言葉にも出会えることでしょう。
 折れない心をつくるには、先達に学ぶのが一番だと考えています。

―本書はどんな人にオススメでしょうか?

 実は、誠意ある教師ほど、多くの悩みを抱えています。
 教師という仕事に悩んでいる人。
 子どもとの関係で悩んでいる人。
 保護者や同僚との関係で悩んでいる人。
 教師の仕事に、真剣に取り組んでいるからこそ、悩みが生じるのです。しかしながら、悩んでいる人は、その悩みで、身体を壊してしまうこともあります。
 誠意ある教師が、一人、また一人と現場からいなくなる。
 そんなことにならないよう、教師としての心・考え方は、広く世に知られる必要があります。そう考えて、本書の執筆を進めました。
 悩みある全ての教師に、本書をオススメします。

―最後に、学校現場で悩まれている先生方・読者の先生方へのメッセージをお願い致します。

 本書には、学校現場で私が受けてきたアドバイスもたくさん詰まっています。
 困ったときや、悩みを抱えたとき。
 心ある先輩が、様々なアドバイスをしてくれました。
 アドバイスには、勇気づけられるものがたくさんあります。
 他にも、教育の先達の言葉も紹介しました。
 繰り返し読み返し、言葉の深い意味まで感じ取ってほしいと思っています。
 第5章には、私の教師としての10のルールを入れました。教師としてぶれないようルールをつくり、それをもとに仕事をしてきました。仕事部屋に貼って、いつでも見直せるようにしていたものを、本書で初めて公開します。
 「折れない心」をつくるため、本書がきっと役に立つはずです。

※出典「平成22年度教育職員に係る懲戒処分等の状況について」(文部科学省)

(構成:及川)

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