著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
教師と生徒が作りだす英語の授業で、生徒の実践力が伸びる
マネジメント・ブレイン・アソシエイツ浅井 正美
2012/4/23 掲載

浅井 正美あさい まさみ

高校3年生の冬、英語コミュニケーションの重要性に目覚める。NHK『英語会話』の故松本亨氏に師事。学生時代、英語ディベートや通訳として活躍。その後は学習塾や英語スクールで勤務。幼児から大人までの指導経験を生かし、「誰もが分かる英語指導法」の開発に取り組む。幼児英語カリキュラム、公立小学校英語指導プラン(東京都杉並区「小学校英語活動杉並プラン」など)をはじめ、様々な英語プログラムを作成。また、担当する講師研修技能は楽しく、しかも身につく研修としてネイティブの英語講師からも賞賛されている。現在、マジメント・ブレイン・アソシエイツ シニアコンサルタント、英語教育アドバイザー。フォーサイト代表。著書に、『塾最強コンサルタント直伝!B ≪場面&活動例でわかる≫プロ教師の小学英語「達人」授業スキル』(明治図書)などがある。

―本書1章で、先生は「総合的な英語力」を身に付けることの重要性、ポイントについて述べられています。その点について、教えて下さい。

 総合的な英語力とは「聞く」「話す」「読む」「書く」の4つの言語技能です。コミュニケーション手段としての英語には、「話し言葉」でのコミュニケーションと「文字」によるコミュニケーションがあります。「話し言葉」と「文字」のコミュニケーションを共に高めるには、バランスの良い総合的な英語力を身につける必要があるのです。

―中学1年生の指導は、本格的な英語指導が始まる年でもあり、方法を間違えると英語嫌いを大量生産してしまう重要な学年と言われます。中学1年生で授業をスタートする際のポイントは何でしょうか?

 中学生を英語嫌いにしないポイントは、最初の段階で、英語特有の音とリズムに慣れる指導をすることです。また、常に生徒が声を出す授業を展開することです。大量に英語を発音すると、頭脳と体全体で英語が理解できます。音も文字も文法も体に染み込みます。英語が聞き取れ、意味が分かり、書けるようになれば、嫌いになる余地はありません。

―本書では、「Lesson 1〜」という形で先生と生徒の授業中の具体的な対話例が板書例も加えてまとめられています。生徒を熱中させ、授業に引き込むポイントはどういったものでしょうか?

 生徒を授業に引き込むには、生徒が授業の中心になることを徹底して工夫することです。聴くのも生徒、話すのも生徒、考えるのも生徒、工夫するのも生徒という考え方で授業を動かすことです。また、相互に対話をしたり、質問をしあったり、生徒が英語の授業自体に参加していることを体感できる仕組みが大切です。

―中学1年生では、文法のルールでつまずく生徒が多いようです。本書でも述べられていますが、その指導のポイントについて教えて下さい。

 文法の専門用語は極力使わない指導をすることです。英語表現は必然的にそれを使う場面を想定して指導する、「タクスシラバス」を徹底することです。そして、学んだ表現は「パターンプラクティス法」で練習し、生徒が「型」を体得できる指導をすることです。英語表現が場面と共に体に染込ませることが指導のポイントです。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いします。

 1人でも多くの先生に、私が紹介している生徒参加型の指導方法を駆使しもらいたいものです。さらに、それを応用して自分なりの方法を開発してください。そして、「英語大好き中学生」、英語の授業が「心から楽しめる中学生」を大勢育ててください。是非、協力しながら楽しい英語授業を展開していきましょう。

(構成:及川)

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