生活指導 2011年3月号
特別なニーズを持つ子どもをどう支援するか―いま「強い」指導を問う

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生活指導 2011年3月号特別なニーズを持つ子どもをどう支援するか―いま「強い」指導を問う

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ジャンル:
生活・生徒・進路指導
刊行:
2011年2月7日
対象:
小・中
仕様:
A5判 123頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 特別なニーズを持つ子どもをどう支援するか―いま「強い」指導を問う
特集のことば
特別なニーズを持つ子どもをどう支援するか―いま「強い」指導を問う―
高橋 英児
小学校/学習室(特別支援級)の役割とは?―ゆうきの指導のなかで考えたこと
荻野 明夫
小学校/望とステキな仲間たち!!みんなでいっしょに成長していこう!!
若草 いずみ
小学校/きみは一人じゃない―苦しんでいる子を真ん中にして―
佐藤 奈津子
中学校/2の1の話PART2―道夫とクラスの子たち
大島 冴子
<分析論文>「強い」指導に対抗するための子ども観・指導観の確立を
今関 和子
第2特集 一年間のまとめをしよう〜実践のしめくくりのアイデア〜
《小学校》学級じまいをどうするか
牧野 幸
《小学校》無理せず、できることから
星 徹
《小学校》「まとめの会」を次へのスタートに
田中 亨
《小学校》笑いと涙の「がんばろうね会」
木村 さおり
《中学校》「お別れ会」なんか、どうですか
高原 史郎
《中学校》初めての卒業式とフォトムービー
坂脇 淳
今月のメッセージ
学級会を大事にしよう
植松 保信
私の授業づくり (第24回)
小学校〈道徳〉/学級の中で共通の価値をつくる
長尾 亜紀子
中学校〈道徳〉/日々の生活に生きる道徳を
上田 華
実践の広場
子どもの生活・文化・居場所
いい集団にはいい文化が育つ
林 栄次
子どもをつなぐ活動・行事
子どもたちの提案による「遊びレク」を!
戸谷 嘉之
いきいき部活・クラブ
思いが通じ合うとき―激動の2年間―
上田 麻理
手をつなぐ―教師・親・地域の人々
教師の姿勢が伝わり、保護者が力強い味方に
上田 華
私が教師を続けるわけ
誰かの役に立っていることが生きがい
中野 真子
案内板 集会・学習会のお知らせ
〈発達障害〉の理解と支援―学級・学校・地域を育てる (第12回)
子ども・若者が育つ町をつくる
間宮 正幸
教育情報
歴史にみる子どもの指導と処罰
鳥居 和代
〜校外教護・保導の歴史が投げかけるもの〜
読書案内
『中・高「働くルール」の学習』『絶対トクする!学生バイト術』
柏木 修
<報告>日本生活指導研究所より
今年度の活動について
林 生信阿部 敏夫
読者の声
1月号を読んで
特別支援学校の現在と課題 (第4回)
「子ども期」が危うい時代へ
野呂 郁哉
<投稿論文>宗教教育を考えるために
人権・道徳・権力と関わって
釋 鋼二
2010年度既刊目次
編集後記
高橋 英児

今月のメッセージ

学級会を大事にしよう

指名全国委員 植松 保信


以前は、学級会活動が週1時間あり、学級指導は別枠にありました。しかしいまは、学級会活動と学級指導がいっしょになって、週1時間になっています。学級会が軽視されてきたのだと思います。

子どもたちは学級会の時間が大好きです。それは、子どもたちが主体的に使える、子どもたち自身の時間だからだと思います。学級会活動には、話し合い活動、係活動、集会活動の三つの活動がありますが、そのなかでも中心になるのは、話し合い活動でしょう。

「子どもたち自身が話し合い、自己決定して」活動するためには、原案が必要になります。当面、その原案をつくって提案するのは、教師です。しだいに、教師と班長会の共同で提案し、さらに班長会が単独で提案できるように指導します。つまり、リーダー集団の指導が課題となります。

まず、班長一人ひとりにリーダーとしての自覚を促し、こんな学級になったらいいなという夢を語り合います。そして、自分たちの学級はどこがすばらしく、どんな問題点があるのか、また困っている人はいないのかなどを話し合い、学級集団の状況を分析します。

夢を語り合い、状況分析をするなかで、学級集団の願いや要求を実現できる取り組みに主題化し、原案化します。これが学級行事の原案であったり、生活規律の原案であったり、学習運動の原案であったりします。このようなさまざまな原案を文章化し、提案して、話し合いにのぞみ、決定すればその実行に責任を持ち、先頭に立つことによって、リーダーとしての自覚が深まっていきます。

話し合いでは、「みんなで決めて、みんなで守る」ことを教えるために、一方で「不利益には黙っていないこと」を教える必要があります。そして、発言権の取り方や、賛成・つけたし・反対・修正などの各意見の説得力のある述べ方、さらに集団の意志のちからと表現形態などを教えます。

「みんなで決めて、みんなで行動したら、これだけの前進があった」という経験をさせない限り、子どもたちは、話し合い、決定することや、決定を守ることの意義を学ぶことはできません。そして、みんなの行動が、一定の前進を勝ち取るためには、みんなの納得・合意による決定が不可欠です。

そこで、できるだけ多くの子どもたちの、できるだけ深い合意をつくりだすために、話し合い・決定をするにあたっての大切な点をいくつか挙げます。ひとつめは、行動の必要性の合意と方法の合意をはっきり分けて話し合い、決定することです。ふたつめは、中間派、少数派の意見を含んで合意を形成することです。「賛成」と「反対」の間には、さまざまな中間の意見があります。条件付き「賛成」、条件付き「反対」などの意見を引き出します。みっつめとして、ときには全員参加でなく、自主的な参加として決定して、行動を開始することもあってよいということです。

また、係としての仕事は、班で受け持って取り組んでいきます。「仕事をするときは、意欲を持ってあたることの必要性」。「仕事をするときは、見通しを立てることの必要性」。このふたつを指導していくために、係を決めるための学級会を開いて、仕事に取り組ませていきます。

係は、「その係を自分たちの班で受け持ったら、どのようにやっていくか」という方針を掲げ、奪い合っていくようにします。そのことにより、係活動の質をより文化的に高めたり、責任を持ってやりぬくことを教えていきます。また、班は、方針を作っていく過程、方針を述べる過程、係をとったあと係を遂行していく過程で、まとまりが強固になり、集中して取り組む力がつき、友情が深まります。

だから、学級会活動を大事にしましょう。そして、学級集団を自治的な集団に高めていきましょう。


Mar.2011

今月のメッセージ

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