- 特集 「情報」を読む力を育てる
- 提言・「情報」を読む力を育てる
- 「情報」を読む―判断・評価する力
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- 用語「情報」が学校教育改革の契機となる
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- 具体的な観点から「情報」の多義性の吟味を始める―英訳の窓を通して―
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- 不足している情報を補って読む力の育成―詩教材の読みの授業を通して―
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- 批判的リテラシーの必要性―東日本大震災を経験して―
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- 情報ネットワーク社会における学校の役割とは
- 東日本大震災からの三日間と情報ネットワーク社会
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- あくまでも「不偏不党」たれ
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- 学習指導要領に書かれている内容を忠実に確実に実践し、身につけさせていくことこそ学校の役割である
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- 小学校における「情報」活用能力の育成
- 説明文の学習で、「情報」活用能力を鍛える
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- 歴史の授業で「絵図や挿絵」の資料を読み取る力をつける
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- 情報の収集と選択、活用を実現する「討論の授業」
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- 「情報」の取り出しを確実に行った後に解釈・熟考・評価をせよ
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- 読み取り方の基礎を身につけて、情報のなかにある主張を見抜くことが大切である
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- 中学校における「情報」活用能力の育成
- 細部を読む・大まかに把握する
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- 情報を吟味する力を育てる
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- 子ども観光動画を作成して情報の送り手となると、情報の見え方が違ってくる
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- メリット、デメリットを比較させ、検討させる
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- 「事実を伝える授業をする」に尽きる
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- 新聞で学力が育つか
- 情報を読み解く「習得」を全員に
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- シンプルな言語技術であれば学力が育つ
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- 「教えて考えさせる授業」をめぐって (第7回)
- 講演・研修後のアンケートから
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- 若い教師への期待 (第7回)
- 「生徒指導提要」は「お蔵入り」状態にある
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- 教師の読み書き (第7回)
- 「導入」を論ずる言葉 1
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- TOSS流・学校づくり論 (第7回)
- 調布大塚小学校の教育課程の編成(1)
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- 「公意識教育」のあり方を問う (第7回)
- 「公意識教育」とカリキュラム統合(その4)
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- 〜学力における「公共性」をどう追求するか〜
- 編集後記
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編集後記
○…この特集を組むにあたり私の頭から離れないのは、二月二〇日号『週間東洋経済』の特集です。表紙に大きく「再生か破滅か 新聞・テレビ断末魔」という特集名です。そこでは、「日本のマスメディアの代表である全国紙、テレビキー局の経営悪化が止まらない」と前置きし、収益柱である広告収入がつるべ落としのように急減し始めていると分析していました。特に「新聞」の惨状を指摘し、広告離れだけでなく販売部数の減り方も大きいと解説しています。
○…こういう状況下でも「情報化時代の言語能力」が問題になっています。例えば、「情報を読む技術」を問題化した中西輝政氏は、「インターネットで簡単に得られるようになった情報ですが、食品同様、吟味せず情報を鵜呑みにすることは危険です」と警告し、「情報を獲得するには、必要に応じて、しっかりとした投資をする必要があるのです。と同時に、食品と同じように情報には上級から下級のものまでランクがあり、タダほど怖いものはないことを肝に銘じるべきなのです」と訴えています。
○…それはまた、平成一一年に刊行された文化庁編集による『情報化時代の言語能力』を改めて読み直す必要を感じています。そこでは「情報によって社会が変わり、我々の生活も変化する。このような中では、いかに情報を得て活用するかが重要になる」と前置きし、「情報化時代の受信能力」を問題にしています。例えば、@情報を受け取る能力、A情報を探す能力、B情報を読む能力、C情報を選ぶ能力、D情報を作る能力、などです。確かに「情報を収集し、活用する能力を身につけさせること」は、大事な実践課題と言えます。本号はそのための提案特集です。
(江部 満)
○…戦後、出版活動を再開して間もない時期の小社で、小誌を筆頭に『国語教育』誌などを創刊し、教育情報産業としての、それなりの立ち位置を築かれた江部満氏が先月、勇退されました。
この欄をお借りし、私が見聞した範囲での、仕事人・江部満像≠お伝えしたいと思います。
戦後教育言論界の一翼を担ってきた一編集者の歩みを通して、世論形成の舞台裏証言にもなると思うからでもあります。
ところで、ご本人は「僕は運動家だ」とおっしゃいます。
たしかに、この仕事につく前には、太平洋戦争といういい方がフィットする特攻隊志願。敗戦後は、某政党に入党し、専従・山村工作隊で秩父の山中を歩きまわったのだとか。
そのころ、新日本文学の路線対立で大喧嘩した作家の野間宏氏と、後に同和問題で一緒に仕事をするというドラマもあったとか。
(樋口 雅子)
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- 明治図書