中学校担任がしなければならない進路指導の仕事12か月

中学校担任がしなければならない進路指導の仕事12か月

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学級担任の進路指導の仕事を学校暦に応じて月別に収録

中学校担任がしなければならない進路指導の仕事を、@進路指導、A進路相談、B進路事務、C受験指導、D保護者会、E体験活動、F学級活動、に焦点化して、図解を駆使して簡潔明瞭に解説した手引。


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ISBN:
978-4-18-870819-4
ジャンル:
生活・生徒・進路指導
刊行:
対象:
中学校
仕様:
B5判 100頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

○はじめに
1章 中学校の進路指導の重点課題と担任の仕事
1 進路指導の重点課題
2 学級担任がしなければならない具体的な仕事1
2章 1学期の進路指導の仕事
§1 4月のしなければならない仕事4
1 【進路指導(1・2・3年)】全体計画と年間指導計画の確認
2 【進路指導(1・2・3年)】進路指導記録簿の作成と記入
3 【学級活動(1年)】自分のよさを知ろう(肯定的自己理解)
4 【進路指導(3年)】進路だよりの作成
§2 5月のしなければならない仕事
1 【進路指導(1・2・3年)】進路希望調査の準備と実施
2 【学級活動(1・2・3年)】進路計画をつくろう(現実的な進路探索)
3 【学級活動(1年)】当番活動の意義を考えよう(勤労観の形成)
4 【学級活動(2年)】自分の可能性を探ろう(肯定的自己理解)
§3 6月のしなければならない仕事
1 【学級活動(1年)】みんな大切な人(自己有用感の獲得)
2 【学級活動(2年)】人はなぜ生きるのか(生き方の探索)
3 【学級活動(3年)】私はこんな一生を送りたい(生き方の探索)
§4 7月のしなければならない仕事
1 【学級活動(1年)】働く喜びと辛さを知ろう(勤労観の形成)
2 【受験指導(3年)】上級学校説明会への参加指導
3 【進路相談(3年)】進路決定の個人面談の準備と実施
3章 2学期の進路指導の仕事
§1 9月のしなければならない仕事
1 【学級活動(1年)】夢を実現するための進路計画(暫定的な進路選択)
2 【学級活動(2年)】なぜ人は働くのか(職業観の形成)
3 【進路事務(3年)】入試要項の整理と活用
4 【体験活動(3年)】進路学習会の準備と実施
§2 10月のしなければならない仕事
1 【体験活動(1・2・3年)】ボランティア体験活動の準備と実施
2 【学級活動(1年)】人の役に立つ喜びを味わおう(自己有用感の獲得)
3 【学級活動(2年)】様々な職業の価値を考えよう(職業観の形成)
4 【学級活動(3年)】進路の悩みや不安を解消しよう(生き方の探索)
§3 11月のしなければならない仕事
1 【保護者会(3年)】進路説明会の準備と実施
2 【体験活動(2年)】上級学校調べの準備と実施
3 【学級活動(2年)】希望の職業に就く計画を立てよう(進路計画の立案)
4 【進路事務(3年)】就職相談と関係機関との連携
5 【進路相談(3年)】三者面談の準備と実施
§4 12月のしなければならない仕事
1 【受験指導(3年)】志願理由書や自己推薦書の書き方
2 【受験指導(3年)】面接の練習の準備と実施
3 【受験指導(3年)】受験関係書類の取り扱い
4 【受験指導(3年)】採用試験受験の事前指導
4章 3学期の進路指導の仕事
§1 1月のしなければならない仕事
1 【受験指導(3年)】作文・小論文の書き方指導
2 【受験指導(3年)】入試直前指導の準備と実施
3 【進路事務(3年)】調査書作成準備
4 【進路事務(3年)】受験手続きの確認
5 【進路事務(3年)】受験日・発表日の体制
§2 2月のしなければならない仕事
1 【進路相談(1・2年)】進路相談の個人面談の準備と実施
2 【体験活動(2年)】職場体験の準備と実施
§3 3月のしなければならない仕事
1 【体験活動(1年)】職業調べの準備と実施
2 【進路事務(3年)】進路決定後の事務処理

まえがき

 卒業式後に開かれる謝恩会が,祝う会という名に変わった。謝恩会そのものが廃止されたという話も聞く。受験した高校が合格しても保護者からお礼や報告の電話が担任へ来ないという話も聞く。三者面談は,希望を聞かれて,「がんばってください。」と言われただけだった。わざわざ仕事を休んで行った意味が無いという苦情も聞く。あの先生のクラスだと進路は安心だが,この先生のクラスでは心配だという話も聞く。

 進路決定という問題に直面し,学校側と保護者側のそれぞれの思惑がからまり合って不信や不安を生んでいるケースが多い。このことが結局は生徒の進路決定に大きな影響を及ぼしてしまう。進路指導にとって最も大切なことは,教師に対する信頼感の醸成に尽きるのではないだろうか。

 若い男性担任が,学級経営で女子生徒とうまくいかずに悩んでいた。教師自身も女子生徒との関わりを苦手としていた。女子生徒の中に不平と不満が鬱積され,反発や反抗という行動も多くなってきた。そのような状況の中,進路指導の一環として7月に学業指導を内容とした個人面談を実施し,9月に進路希望の実現に向けた内容の個人面談を実施した。11月は暫定的な受験校決定の三者面談を実施した。この頃になると女子生徒のこの若い男性担任に対する態度や姿勢がまったく以前と変わってきた。卒業式はもちろん学級お別れ会でも女子生徒の担任への感謝の気持ちと別れの悲しみの表し方は素晴らしいものであった。経験の少なさからの学級経営の技量不足によって不満や不平を抱いていた女子生徒であった。しかし,個人面談を通して,誠実で,熱心なこの若い男性担任の自分たちへの思いや願いが伝わったのである。信頼は,教師の生徒に対する誠実で,熱心な思いや願いから生まれて来る。

 特に,進路の決定に至るまでの学級担任の仕事は,進路指導の中核的な仕事である。公私立を問わず,高等学校の選抜方式は都道府県によって多種多様である。それぞれの選抜方式を踏まえた進路決定の仕事を学級担任として,生徒一人一人に責任を持ってやっていかなければならない。しかし,この進路決定の仕事は,このことだけでは成し得ない。肯定的な自己理解から始まり,生き方や進路に関する現実的探索までのキャリア教育の趣旨を踏まえた生き方指導としての進路指導を展開していかないと進路決定の仕事は十分なものとはならない。生徒の自立と進路を保障する中学校の学級担任がしなければならない学校暦に応じた進路の仕事を明らかにして取り組んでいくことが求められる。

 そこで,本書は,中学校の学級担任がしなければならない進路の仕事を学校暦に応じて配列した。しなければならない仕事として取り上げた仕事は,@進路指導に関する仕事,A進路相談に関する仕事,B進路事務に関する仕事,C受験指導に関する仕事,D保護者会に関する仕事,E体験活動に関する仕事,F学級活動に関する仕事,に分別して精選した。仕事の月別の配列は,学校暦に応じるとともに,前後の仕事との関連や継続も考慮して配列をした。

 本書の活用に当たっては,しなければならない仕事を月毎に確認していただくとともに,取り扱う学年と仕事の種類も確認をしていただきたい。進路の仕事という性格上,取り扱う仕事は月によって学年に偏りがある。都道府県や学校の実情に応じて,創意工夫して各仕事を取り扱っていただきたい。また,その参考となるように目次とは別に種類ごとの「進路の仕事一覧」を付した。

 各仕事については,その意義やねらいと内容に基づいて仕事の進め方と留意点を記したが,都道府県・学校・学級の実態に応じて仕事の進め方については創意工夫をお願いしたい。

 学級担任の先生方が,本書を有効に活用いただいて学級担任としてしなければならない進路の仕事を誠実に,確実に実行し,保護者と生徒から信頼される教師となる一助になればと願っている。この仕事を成し遂げることが,生徒が自分の将来に明るい目的や希望をもって,自分の力で自分の人生を切り拓いて行く出発点となる。そのことへ関われる喜びを先生方が実感していただけることを念じている。

 結びにあたり,本書の刊行の趣旨にご理解をいただき,校務多忙な中にも関わらず貴重なノウハウを提供いただいた執筆者の先生方,刊行に際しご尽力を賜った明治図書出版株式会社の安藤征宏氏をはじめ編集部の皆様に心から感謝を申し上げる。


  平成22年3月   編者 /桑原 憲一

著者紹介

桑原 憲一(くわはら けんいち)著書を検索»

獨協大学・東京学芸大学・女子栄養大学非常勤講師

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 見通しが立つことで、仕事を進めやすくなりました。
      2021/5/1640代・中学校教員
    • 8年ぶりに3年所属、そして初めて卒業学年を担任することになったので、進路指導主事に任せっきりではなく、自分でできることが何かないかと思い購入しました。
      2018/3/1440代・中学校勤務

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