中学校新学習指導要領の展開 特別活動編
平成20年版

中学校新学習指導要領の展開 特別活動編平成20年版

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新学習指導要領のねらいを具体化する完全ナビ&ガイド!

新しい学習指導要領では、目標に「人間関係を築く」が入り、その実現のため、学級活動、生徒会会活動、学校行事で新しい実践課題が提示されました。本書ではそれへの取り組みの具体策をわかりやすく解説しました。


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ISBN:
978-4-18-844315-6
ジャンル:
学習指導要領・教育課程特別活動
刊行:
2刷
対象:
中学校
仕様:
A5判 160頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

もくじの詳細表示

まえがき
T 改訂のねらいと基本方針
§1 学習指導要領の改訂と特別活動
1 教育基本法の改正と学習指導要領の改訂の経緯
2 特別活動の課題と改訂の背景
§2 特別活動の改訂の基本方針
1 特別活動の目標の設定と基準性
2 特別活動の内容構成等の改善
§3 特別活動の目標及び内容等の改善
1 特別活動の目標の改善
2 学級活動の目標と内容の改善
3 生徒会活動の目標と内容の改善
4 学校行事の目標と内容の改善
5 特別活動の授業時数
U 今次特別活動改訂のコンセプト
§1 よりよい人間関係を築く力の育成
§2 社会性の育成
§3 体験活動の充実
§4 望ましい勤労観・職業観の育成
§5 異年齢集団による交流
V 改訂構想のビジュアル解説
§1 小・中学校学習指導要領「特別活動」の対照表と改善の要点
1 小・中学校学習指導要領「特別活動」の対照表
2 改善の要点
§2 指導計画の作成
1 年間指導計画作成の基本と指導計画例
2 各内容の指導計画の作成
(1) 学級活動の指導計画
(2) 生徒会活動の指導計画
(3) 学校行事の指導計画
W 特別活動の改訂事項の解説
§1 学級活動
1 学級活動の目標の解説
2 内容の解説
(1) 学級や学校の生活づくり
ア 学級や学校における生活上の諸問題の解決
イ 学級内の組織づくりや仕事の役割分担
ウ 学校における多様な集団の生活の向上
(2) 適応と成長及び健康安全
ア 思春期の不安や悩みとその解決
イ 自己及び他者の個性の理解と尊重
ウ 社会の一員としての自覚と責任
エ 男女相互の理解と協力
オ 望ましい人間関係の確立
カ ボランティア活動の意義の理解と参加
キ 心身ともに健康で安全な生活態度や習慣の形成
ク 性的な発達への適応
ケ 食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成
(3) 学業と進路
ア 学ぶことと働くことの意義の理解
イ 自主的な学習態度の形成と学校図書館の利用
ウ 進路適正の吟味と進路情報の活用
エ 望ましい勤労観・職業観の形成
オ 主体的な進路の選択と将来設計
3 指導計画の作成と内容の取扱いの解説
(1) 学級活動における指導計画の作成について
(2) 学級活動の内容の取扱い
4 展開例
(1) 〈内容(1)〉学級や学校の生活づくりの展開例
◆ 題材「3年生を送る会のアトラクションの練習を見直そう」(第1学年)
(2) 〈内容(1)〉学級や学校の生活づくりの展開例
◆ 題材「1組縦割り集会の内容を決めよう」
(3) 〈内容(2)〉適応と成長及び健康安全の展開例
◆ 題材「学校内外の事故を防止しよう」(第2学年)
(4) 〈内容(2)〉適応と成長及び健康安全の展開例
◆ 題材「望ましい食習慣を身に付けよう」(第1学年)
(5) 〈内容(3)〉学業と進路の展開例
◆ 題材「私の適性と進路」(対象学年2学年)
(6) 〈内容(3)〉学業と進路の展開例
◆ 題材「学習の内容と方法」(対象学年1学年)
§2 生徒会活動
1 生徒会活動の目標の解説
2 内容の解説
(1) 生徒会の計画や運営
(2) 異年齢集団による交流
(3) 生徒の諸活動についての連絡調整
(4) 学校行事への協力
(5) ボランティア活動などの社会参加
3 指導計画の作成と内容の取扱いの解説
4 展開例
(1) 〈内容(2)〉異年齢集団による交流
◆ 展開例 「幼児と心の交流をしよう」
(2) 〈内容(5)〉ボランティア活動などの社会参加
◆ 展開例 「出張!平成クリーン隊!」
§3 学校行事
1 学校行事の目標の解説
2 内容の解説
(1) 儀式的行事
(2) 文化的行事
(3) 健康安全・体育的行事
(4) 旅行・集団宿泊的行事
(5) 勤労生産・奉仕的行事
3 指導計画の作成と内容の取扱いの解説
(1) 指導計画作成上の配慮事項
(2) 内容の取扱いに関する留意事項
4 展開例
(1) 〈内容(2)〉文化発表会〈文化的行事の展開例〉
(2) 〈内容(4)〉修学旅行〈旅行・集団宿泊的行事の展開例〉
(3) 〈内容(5)〉職場体験学習〈勤労生産・奉仕的行事の展開例〉
X 特別活動の実践課題と具体策
§1 特別活動の実践課題と具体策
1 総合的な学習の時間との関連
2 道徳との関連
3 家庭・地域との連携
§2 学級活動の実践課題と具体例
1 生活を改善する話合い活動の充実
2 思春期の心の問題
3 社会的な自立を目指すキャリア教育の充実
§3 生徒会活動の実践課題と具体策
1 自発的,自治的活動の活性化
2 異年齢集団による交流
§4 学校行事の実践課題と具体策
1 職場体験等の体験活動の重視
2 特色ある学校行事の創意工夫
Y 特別活動の変遷からみた今次改訂の特色
§1 特別活動の変遷
1 特別活動の成立前後
2 最近3回の特別活動の変遷について
§2 今次改訂の特色
付録 中学校学習指導要領「特別活動」

まえがき

 互いに支え合いながら希望と目標をもって生きる。現代の日本人ひとりひとりに問われている生き方である。現代日本においては,あらゆる世代において人間関係の希薄化がみられ,また,直接体験の不足ということも広がりを見せている。これら課題に特別活動はいかに向き合っていくか。

 今回の学習指導要領改訂は,教育基本法や学校教育法の改正のもと,グローバル化への対応を基調に,我が国の学校教育を取り巻く今日的状況をふまえてなされたものである。特別活動については,課題への対応を図るために,その固有の意義やねらい,果たすべき役割を一層明確にするために改訂がなされた。さしずめ,特別活動の目標に小学校と中学校を通して,新しく「人間関係を築く」という文言が加えられたことは,その象徴としてとらえることができる。

 学習指導要領改訂の基本方針を示した中央教育審議会答申(2008(平成20)年1月)は,教育内容に関する主な改善事項として,7つの柱をあげ,そのうちの一つに「体験活動の充実」をあげた。この「体験活動の充実」を具体化するにあたって,教育課程上,その主要な受け皿となるのが特別活動である。時代の状況は,まさに,為すことによって学ぶことを掲げ,望ましい集団活動を旨とし,人間としての生き方の探究をはかる特別活動を求めており,その期待にいかに応えるかが問われている。

 今回の改訂では,体験活動の充実とともに言語活動の充実が教育内容の改善事項にあげられており,特別活動においても体験と言葉を結ぶ実践が求められている。

 また,教育課程全体を通して,学校の教育活動全体を通して,ということも強調されている。特別活動においても道徳との関連をはかる適切な指導をはじめ,職場体験活動や勤労生産・奉仕的行事などにおいて学校全体の教育活動における視点の重視が求められている。すなわち,学校全体の教育活動に位置づけ,他の活動とのリンクを図りつつ,学校の総合力の発揮に寄与していく特別活動の在り方が提起されている。

 さらに,義務教育の目標の設定をふまえて小学校と中学校の接続を図り,豊かな生活や人間関係を築く力を高め,社会的な自立を図る観点から,発達段階に応じた特別活動の実践を求めていることも注目してよい。

 これら,これからの特別活動を目指すにあたって,その方向性をとらえるとともに,自ら固有の意義やねらい,教育課程上の位置づけなどを改めて確認にしておく必要がある。特別活動にとって,今回の改訂は,目標や内容などについて,状況の変化をふまえて見直しを図ることを通して,いわば自己像を一層明確にする取り組みであったといってよい。

 本書は,これからの特別活動について,目指す方向や内容をはじめ,その全体像を明らかにすることを意図している。すなわち,学習指導要領改訂によって示されたこれからの特別活動について,その基本的な方向や目指す目標,内容及び実践にあたっての留意点などについて記述し解説を通して,その果たすべき役割を明らかにすることをねらいとしている。

 本書が,これからの特別活動への展望を開き,その実践に少しでも役立ち,様々に存在する課題の解決への一助となることを通して,特別活動の一層の充実と発展へとつながることを願ってやまない。

 最後になるが,本書の執筆を引き受けていただいた皆様に,また,本書の発行にご尽力いただきました明治図書の安藤征宏氏に心より御礼を申し上げたい。


  平成20年10月   編著者 /天笠 茂

著者紹介

天笠 茂(あまがさ しげる)著書を検索»

千葉大学教授

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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