- はじめに
- 1 高学年の授業づくり
- (1) 私が考える7つの大切なこと
- @運動教材に接する機会を多く,期間を長く
- Aマネジメント技術を大切に
- B場は単純に,準備は簡単に
- Cできる,できそうな感じが持てるように
- D栄養のある,おいしいメインディッシュをたくさん
- E多様な評価軸を持つ
- F肯定的な雰囲気づくり
- (2) 高学年の年間指導計画
- (3) 6年間を見通した主な教材一覧
- 2 教材集
- (1) 体つくり運動
- @新しい学年,新しいクラスで仲間づくり!
- グランドキャニオン
- Aなわ回しもとび方も両方得意になろう!
- ダブルダッチ
- Bリズミカルなジャンプとすばやいなわの操作を!
- いろいろ二重回し
- Cグループ作品づくりに挑戦しよう!
- 長なわパフォーマンス
- (2) 器械運動
- @だるま後ろ回りとひざかけ後ろ回りを生かそう!
- 空中逆上がり
- Aかべ逆立ちを生かして!
- ハンドスプリング
- B「反り」で起きあがる!
- はねとび
- (3) 陸上運動
- @自分と競争!
- 走り幅とび
- A低く,速く越えよう!
- 40mハードル走
- Bリズミカルに調子よく!
- 走り高とび
- (4) 水泳
- @ゆっくり,長く,楽に泳ごう!
- 平泳ぎ
- A力まず,スピードを上げていこう!
- クロール
- (5) ボール運動
- @少ない人数でみんながパス・シュート!
- バスケットボール
- Aみんながスパイク!
- ソフトバレーボール
- Bパスでつなごう!パスパスサッカーからゴールサッカーへ
- ○○サッカー
はじめに
本書は,『とってもビジュアル!筑波の体育授業』の高学年編である。特徴は以下の通りである。
@どのような手順で授業を進めていったらよいのかがわかるように「ステップ」という示し方をした。
Aできるかぎり学習すべき内容を明確にし,成果の表れやすい授業展開を示した。
B写真やイラストを多く使い,ポイントを視覚的に明確にした。
Cそれぞれの教材の中核となる点をまとめ,授業を展開する上で教師が念頭に置いておくべき事項を簡潔に記した。
Dそれぞれのステップで「習得」や「活用」というマークを入れることで,子どもたちの学びが「習得」中心なのか,「活用」中心なのかをわかりやすくした。
E日々の授業はもちろん,研究授業にも活用できるように,最初のページに教材全体のイメージを,次に教材のねらいと単元計画を大枠で示した。
『とってもビジュアル!筑波の体育授業』は,低学年・中学年・高学年の3冊のシリーズである。それぞれの内容に多少重複する部分もあるが,子どもの実態によっては1つ,あるいは2つ前の段階から始めなければならないこともあるため,あえて,より簡単な段階から示すこととした。目の前にいる子どもたちの実態に合わせて活用していただきたい。
本シリーズの著者は,筑波大学附属小学校において体育専科として体育授業実践を積み重ねている。体育専科は,体育の授業時間以外使えないという制約の中で,より効率的で成果の上がる授業展開をしなければならない。また,1年間で1年生から6年生まですべての学年の授業を受け持つため,系統性を踏まえた視点を持つことができる。本書は,そうした経験の中で,よいと思える教材や単元の展開方法をまとめたものである。特に,「ステップ」という示し方によって体育授業の指導経験の浅い先生方や研究授業に取り組もうとしている先生方にもわかりやすいようにと考えて全体を構成した。「ステップ」は1時間での内容をイメージしたものではなく,そこで示した内容についてその順番で学んでいくことが望ましいと考えているものである。子どもたちの実態によって1つのステップにかかる時間数は変わってくるだろう。これまでの授業研究の成果を示したので,多くの先生方に授業づくりのヒントとして使ってもらえれば幸いである。
最後に,本シリーズの刊行にあたってお世話になった明治図書出版の三橋由美子様,川村千晶様に心よりお礼を申し上げたい。
2010年5月 著 者
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- 明治図書