- まえがき
- T 確かな学力と発展学習
- /吉永 幸司
- U 5・6年の発展学習プリントを活用した指導事例
- 第1節 5年の発展学習プリントを活用した指導事例
- 1 話すこと・聞くこと 「ホタルのすむ水辺」(光村)
- ――「ホタルのすむ水辺」の報道番組を作ろう―― /寺村 雅子
- 2 「敬語を適切に使おう」(東書)
- ――敬語を使いこなそう―― /真鍋 佳樹
- 3 書くこと 「あなたへ」(光村)
- ――その時、あなたは?―― /寺村 雅子
- 4 読むこと 「注文の多い料理店」(東書)
- ――「象徴」を使って物語を読もう―― /秋山 達也
- 5 「みすゞさがしの旅」(教出)
- ――心を求めて―― /和久 学
- 第2節 6年の発展学習プリントを活用した指導事例
- 1 話すこと・聞くこと 「人類よ、宇宙人になれ」(教出)
- ――考えを伝え合おう―― /柳下 政浩
- 2 互いの考えを交流する話し合い活動:朝の会でのフリートーク /桂 聖
- 3 エピソードを交えてスピーチ /桂 聖
- 4 読むこと 「イーハトーヴの夢」(光村)
- ――作品と出会う、作者と出会う―― /和久 学
- 5 言語事項 「同じ訓を持つ漢字」(光村)
- ――同じ訓を持つ漢字―― /佐藤 俊幸
- V 5年 発展学習プリント集
- 1 話すこと・聞くこと ディベート役割分担をしよう /伊庭 郁夫
- 2 ディベート作戦を立てよう /伊庭 郁夫
- 3 ディベート学習自己評価カード /伊庭 郁夫
- 4 ディベートの論題を考えよう /伊庭 郁夫
- 5 ショーアンドテル<資料を使って自己紹介しよう> /伊庭 郁夫
- 6 さがせ!新聞記事を /寺村 雅子
- 7 ベストセラーになる本は? /寺村 雅子
- 8 インタビューの名人になろう /寺村 雅子
- 9 友だちの発表から学んだこと /寺村 雅子
- 10 はっきりさせます!どちらがいいか! /寺村 雅子
- 11 読書会進行表ですすめよう /寺村 雅子
- 12 書くこと 比べて考えをまとめる /杉澤 周一
- 13 くわしく書く前に… /杉澤 周一
- 14 好きなスポーツやゲームの「ルール」や「みりょく」の紹介 /伊庭 郁夫
- 15 言葉でスケッチしよう /伊庭 郁夫
- 16 依頼の手紙 /吉永 幸司
- 17 力がつく勉強の仕方 /吉永 幸司
- 18 わが家の日曜日 /吉永 幸司
- 19 読むこと 「注文の多い料理店」(東書)1
- ――考えをまとめよう(その一)―― /秋山 達也
- 20 「注文の多い料理店」(東書)2
- ――考えをまとめよう(その二)―― /秋山 達也
- 21 「注文の多い料理店」(東書)3
- ――考えをまとめよう(その三)―― /秋山 達也
- 22 「注文の多い料理店」(東書)4
- ――考えをまとめよう(その四)―― /秋山 達也
- 23 「注文の多い料理店」(東書)
- ――「象徴」を使って物語を読もう―― /秋山 達也
- 24 「注文の多い料理店」(東書)
- ――物語の「象徴」について考えよう―― /秋山 達也
- 25 「わらぐつの中の神様」(光村)
- ――様子を表している文みつけ―― /吉永 幸司
- 26 「わらぐつの中の神様」(光村)
- ――気持ちが表れている文みつけ―― /吉永 幸司
- 27 広がれ読書 /北島 雅晴
- 28 言語事項 漢字の辞典を引こう /岡嶋 大輔
- 29 「不」「未」「無」のつく熟語あつめ /岡嶋 大輔
- 30 反対・対の漢字を組み合わせて… /岡嶋 大輔
- 31 言葉のスナップ写真 /中嶋 芳弘
- 32 漢字さがしゲーム! /中嶋 芳弘
- 33 漢字でビンゴ /中嶋 芳弘
- 34 ことばの七変化? /真鍋 佳樹
- 35 にっぽんのうたに親しもう /真鍋 佳樹
- 36 ことばのふしぎ(ちがうことばで・例えたことばで) /真鍋 佳樹
- 37 ことばのふしぎ(よりよい言い方) /真鍋 佳樹
- 38 漢字しりとりゲーム<部首編> /森 邦博
- 39 漢字しりとりゲーム<熟語編> /森 邦博
- W 6年 発展学習プリント集
- 1 話すこと・聞くこと パネルディスカッションをしよう1 /川那部 鴾コ
- 2 パネルディスカッションをしよう2 /川那部 鴾コ
- 3 聞きとりメモを作ろう /伊庭 郁夫
- 4 調べ学習ミニ発表会をしよう /伊庭 郁夫
- 5 インタビューしてきたことを紹介しよう /伊庭 郁夫
- 6 僕も私も学芸員 /伊庭 郁夫
- 7 読書紹介をしよう /川那部 鴾コ
- 8 スピーチメモ /吉永 幸司
- 9 キーワードスピーチ /廣瀬 久忠
- 10 スーパー聞き取りノート /廣瀬 久忠
- 11 ブックトークをしよう /海東 貴利
- 12 書くこと 「森へ」(光村)
- ――エッセイの組み立て表―― /船津 啓治
- 13 鑑賞文を書こう /吉永 幸司
- 14 マネしてみたい表現 /池嵜 繁伸
- 15 構成を工夫して書こう /佐藤 俊幸
- 16 あらすじと感想 /船津 啓治
- 17 『俳句』のリズムで作文しよう /中嶋 芳弘
- 18 プロの方にインタビューしよう! /桂 聖
- 19 読むこと 目に浮かぶ表現 /廣瀬 久忠
- 20 ◇◇にとって大事なことは… /廣瀬 久忠
- 21 比べて読もう /吉永 幸司
- 22 「平和のとりでを築く」(光村)
- ――読んで変わったこと―― /吉永 幸司
- 23 言語事項 すてきな言葉を集めよう /北島 雅晴
- 24 熟語日記を書こう /佐藤 俊幸
- 25 コラムで言葉 /吉永 幸司
- 26 切り貼りマンガ /吉永 幸司
- 27 「手」を使った慣用句 /好光 幹雄
- 28 色を表現する言葉集め /好光 幹雄
- 29 数字のことわざあつまれ! /好光 幹雄
- 30 四字熟語の意味調べ /好光 幹雄
- 31 漢字クイズを作ろう! /海東 貴利
- 執筆者一覧
まえがき
五年生の教材に「言葉の研究レポート」(光村)がある。単元は「調べたことを整理して書こう」となっている。子ともたちに向けて教科書では「身の回りの言葉について調べてみよう。調べたことを分かりやすく伝えるには、どんな書き方がいいのだろうか」という働きかけをしている。
この教材を通して子どもたちに、「目的や意図に応じ、文章全体の組立て」の効果を書く力を育てることを意図しているのは、指導横領の学習活動例「まとまった記録や報告を書くこと」にこたえたものである。
ある学級で、教材を丹念に調べ、「レポートを書く」という活動を積み上げていった。研究内容も、身近な言葉を対象に無理なく、しかも目的である書く力をのばすことを十分に配慮して指導の成果をあげていた。特にレポートの内容や活動に勢いがあったので、書くだけでなく、さらに、発表会をしようと計画した。しかし、書くときと違って、抵抗が大きく勢いは感じられなかった。
授業の公開は子どもたちの発表会であったので、事後の研究会で子どもの様子を巡って活発な討議が行われた。話すための準備をしておくべきだったとか、話す内容の吟味が必要だった等。
この場合、「研究レポートを書く」ということが目的になるので、どの子もが「レポートを書く力」が身についたかどうかが問われる。発表会は、極論すれば、本題材とは直接関係がなく、互いにどんな内容を調べたかを交流する場であると捉えると、授業後の意見交流は授業社のねらいとは距離がある。
「発展学習」を考えるとき、「指導要領は最低基準」ということと関連させていくとわかりやすい。教科書等で示された事柄や内容をどの子にも確実に身につけさせることが「最低基準」を乗り越える目安である。しかし、子どもによっては、あるいは学習集団においては、教科書の意図する事柄や内容を乗り越え、次の課題を求めて学習を進めることが多い。「言葉の研究レポート」でいえば、「発表会」がそれにあたる。到達させるべきものを次々と加えるのでなく、習熟・発展を意図した軸足を定めて、子どもの学習ぶりをみていくことが「確かな学力」を考える上で大切であると考える。
本書は「発展学習」に役立つプリントを中心にまとめた。「発展学習」を「指導要領は最低基準」ということと関連させていくと、多様な学習資料が手元にあった方が指導に意欲が沸くだけでなく、子どもの学習意欲にこたえることができるということから、まとめたものである。
「発展学習」とは何かを定義づけて、それに合わせる形でまとめたものではなく、教室の実態から、このプリントは役に立った、とか、子どもの学習効果があったというものが多い。本書のプリントをヒントに、新たにそれぞれの学級の実態に沿ったプリントが作られ、子ども学力を伸ばすことに役立ってほしいという思いは強い。
国語科における「発展学習」は他の教科のようにあらためて内容が加わるという性質のものではない。指導内容や指導事項をより確かにしかも深く考えさせるためにはどうしたらよいかあるいは興味・関心を持たせて自ら進んで課題に取り組む学習に向かう力を育てるにはどうすればよいかという面から捉えた方が分かりやすい。
本書はこのような考えから「授業で使える」ということを大切にした。本書の発展的学習プリントが授業に役立つとともにこのプリントが手がかりにあり新しいプリントが生まれるという期待もある。多くの教室で役立てばいいなという願いもある。
本書に指導記録や資料を提供して下さった先生、いわゆる共著者は、全国の各地で地道な実践を積み上げておられる方ばかりである。指導資料やプリントの奥にある実践への熱い思いを読み取って頂ければ幸いである。
本書の刊行に当たって明治図書江部満様、及川誠様に企画から出版まで大変お世話になりました。感謝しています。
平成十六年 /吉永 幸司
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- 明治図書