- はじめに
- T章 1歳児クラスの生活と遊び
- [1] 生活について
- [2] 遊びについて
- U章 1歳児クラスの生活
- [1] 食事
- 1 食べさせ方…1歳児前期
- 2 食べさせ方…1歳児後期
- 3 食べさせるのにむつかしい子
- 4 食事のための環境づくり
- 5 親との連携
- [2] 睡眠
- 1 人的・物的環境の変化
- 2 2回寝から1回寝の大事さ
- [3] 排泄
- 1 トイレットトレーニング
- 2 排泄コーナーについて
- [4] 清潔
- 1 鼻かみ・爪・衣服の季節の対応
- 2 家庭との連携
- [5] 衣服
- 1 着脱に参加(脱ぐ・着る)
- V章 1歳児クラスの健康と安全
- 1 病気への抵抗と事故・安全
- 2 病原体から守る免疫抗体の働き
- 3 たんれんをしましょう
- 4 軽い難聴も子どもにとって見落とせません
- W章 1歳児クラスの遊び
- [1] 1歳児の遊びと発達(身体的特徴)
- 1 遊びを通して育てたいこと
- 2 2歳からの体育的遊びと課題
- 3 遊びを豊かにする条件
- ・粗大運動/ ・微細運動
- [2] 遊びの空間と道具
- 1 布と遊ぶ
- 2 体の部位を知っていく遊び
- 3 まわれ,まわれ!
- 4 出したり入れたり,移しかえたり
- 5 並べて,積んで,教える遊び
- 6 生活をうつす遊び
- [3] 1歳児の遊び
- 1 大人とのふれあい
- 2 遊びの種類
- ・身体機能練習遊び/ ・構造遊び/ ・世話遊び/ ・わらべうた遊び/ ・園庭での遊び/ ・散歩
- X章 1歳児の言葉
- 1 言葉の発達と遊び
- 2 子どもの社会化の形成過程
- Y章 1歳児クラスの保育の設計
- [1] 年間指導計画
- [2] 月案・週案
- [3] 日課
- [4] 担当制と役割分担・課題分担
- [5] 保育室の環境作り
- [6] ならし保育
- Z章 1歳児保育をめぐる家庭との連携
- 1 個人面談
- 2 クラス懇談会
- 3 クラスだより
- 4 家庭訪問
- 5 親に保育に参加してもらう
はじめに
「1歳児」保育の実践と研究には,じつにさまざまな積み重ねがみられます。保育の現場に立つ者にとって,そこから吸収することも多くあり,またあらためて再検討しなければならないことも少なくないのです。
1歳児は,より人間らしく成長・発達し,自我の形成が強くあらわれる時期です。そのため1歳児クラスの保育はいろいろな難しさのあるのも事実でもあります。また「充実した人生を送るかぎは2歳になったときの過ごし方にある」ともいわれています。そこで1歳児の保育は,子どもと大人(保育者)との信頼関係を基礎に,ひとりひとりの子どもを大事にすることが欠かせないことだといえましょう。
「1歳児クラスの楽しい生活と遊び」はそうした考えを基に子どもたちの健やかな成長と発達を願い,1歳児保育の望ましい方向を探ろうと,互いの保育を観察し,話合いを深め,共に学びあってきた,いくつかの保育園の実践をまとめたものです。
21世紀を迎えようとして,子どもたちや親たちの置かれている環境や社会状況が大きく変化してきています。そして,保育園に求められているもの,その役割等も見直されてきました。少子化対策や子育てに対する支援,地域の実状に応じて多様化する保育ニーズにどう応えていくのか,親たちにとっても利用しやすい保育園のありようといったことが論議された結果,児童福祉法の一部が,ここで改定されることになりました。今後保育園の運営は今までとは異ったものになることが予想されます。
しかし,日々子どもたちの幸せを願い努力している私たちにとっては,これまで築き上げてきた保育の水準を維持し,さらなる保育活動の充実をめざすことがこれからの課題であるといえましょう。
本書がこれらの課題に応え,1歳児の保育にかかわる方々の今後の参考になれば幸いです。
この書を編集するにあたり,お忙しい中執筆いただいた方々,資料・写真を快く提供して下さった保育園に心から感謝申し上げます。
1998年2月 編著者 /米山 千恵 /渡辺 幸子
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- 明治図書
- 具体的な内容2016/5/2840代・幼保教員