- はじめに
- 第1章 深い学びを生み出す書き換え学習―編集活動としての有効性―
- 1 言語活動としての書き換え学習
- 2 先行研究と書き換え学習の特質
- 3 全国学力・学習状況調査における書き換え
- 4 編集活動としての書き換え学習による授業づくり
- 第2章 主体的・対話的で深い学びを実現する書き換え学習の授業アイデア
- 1【1年】オリジナルの「おおきな だいこん」物語に書き換えよう(物語文)
- 2【1年】「なりきり日記」で,動物の世界を楽しもう(説明文)
- 3【1年】「じどう車ブック」を書こう(説明文)
- 4【2年】おもちゃの作り方の説明文を書こう(説明文)
- 5【2年】替え歌を作ろう(物語文)
- 6【2年】カードの文章と本の文章を比べよう(説明文)
- 7【3年】シナリオに書き換えよう(物語文)
- 8【3年】齋藤隆介の作品をリーフレットで紹介しよう(物語文)
- 9【3年】生き物ひみつブックを作ろう(説明文)
- 10【4年】読んで考えたことを話し合おう(物語文)
- 11【4年】シリーズの特徴を活かして「車のいろは空のいろ」物語を書こう(物語文)
- 12【4年】新聞記事を作ろう(説明文)
- 13【5年】推薦文に書き換えよう(物語文)
- 14【5年】立場を決めて資料を読み取り,自分の意見を持とう(説明文)
- 15【5年】伝記を読む(伝記)
- 16【6年】さくらももこ風エッセイを書こう(随筆)
- 17【6年】インタビュー記事を書こう(説明文)
- 18【6年】「きつねの窓」の魅力をテレビ番組で伝えよう(物語文)
- 執筆者一覧
はじめに
このたび,小学校における国語教育の充実・発展をめざし,日々研究実践に取り組んでいる船橋市の先生方が,自らの実践を広く公開すべく一冊の本にまとめました。
指導にあたってくださったのは,長い間,船橋市の国語教育の研究推進に携わっていただいている千葉大学の寺井正憲先生です。
この実践集を出すきっかけとなったのは,平成25年11月に船橋市立海神南小学校を会場に開催された「第42回全国小学校国語教育研究大会 千葉県(船橋)大会」です。大会の開催に向け,本格的な準備に入ったのが平成24年4月。千葉県教育研究会船橋支会国語部の100名を超える先生方が「チーム船橋」の名のもと,一丸となって大会の準備に奔走した1年半でした。
その「チーム船橋」の中心となり大会運営に携わりながら,自ら公開授業や実践発表を行い,大会を成功に導いた先生方を始め,大会をきっかけに新たな授業づくりを行ってきた先生方が,その資料を船橋市国語教育の財産として残すべく,今回の実践集の執筆にあたりました。
今や,国語教育は学校教育の要であると言っても過言ではありません。各教科のねらいの一つでもある「言語力の向上」は,その中心的役割を国語科が担います。
また,今後の国際化社会の中では,論理的思考力(考える力)が重要であり,自分の考えや意見を論理的に述べる力も求められます。それらの力を根底で支えるのが語彙力であるとも言われています。その語彙力の育成も国語科の重要な役割です。
さらに,現代は以前にも増してコミュニケーション力が求められています。ご承知のとおり,人と人とのコミュニケーションは主に言語を媒介とします。つまり,言語力を高めることは人間関係形成能力を高めることにもつながります。特に,「話す力」「聞く力」「話し合う力」の育成はコミュニケーション力の育成そのものであり,論理的思考力の育成とともに国語教育の大きな目標の一つとも言えます。併せて,小学校段階では,「聞く」「話す」「読む」「書く」のうち,「読む」「書く」が確実に身に付くようにすることが大切とも言われています。
このような言語力の育成にあたり,国語科においては授業の改善が急務であり,とりわけ単元のねらいに即した,適切で充実した言語活動の実践が必須です。
そのような中,本実践集は言語活動を「書き換え」に絞り,18実践を掲載しています。前述したとおり,この実践集は船橋市における国語教育の財産とすべく発刊をするものですが,市内外を問わず国語教育の充実・発展を志す多くの方々にも参考としていただければ幸いです。
結びに,本実践集の発刊にあたり,細部にわたるまで丁寧なご指導を賜りました寺井正憲先生に心より感謝の意を表します。
平成28年11月吉日
第42回全国小学校国語教育研究大会 千葉県(船橋)大会 実行委員長
(元船橋市立海神南小学校長) /川上 忠
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- 明治図書
- アクティブラーニングを進めるうえでの大変参考になる実践の手引書である。2016/11/2550代・教委