新時代の中学校指導要録の文例集
観点別評価に対応・豊富な総合所見の文例

新時代の中学校指導要録の文例集観点別評価に対応・豊富な総合所見の文例

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新指導要録のねらい、改善の視点を詳述し、「指導に関する記録」の全内容を観点別評価に対応して明示する。生徒一人一人の可能性、長所等をみつめた総合所見の文例満載。


復刊時予価: 2,475円(税込)

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電子書籍版: なし

ISBN:
4-18-219516-7
ジャンル:
評価・指導要録
刊行:
10刷
対象:
中学校
仕様:
A5判 148頁
状態:
絶版
出荷:
復刊次第

目次

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まえがき
第1章 指導要録改善のねらい
1 「指導要録」とは何か
2 指導にかかわる記録欄の改善のねらい ―基本方針第一から第四までの考え方―
(1) 改善の基本方針第一の考え方
(2) 改善の基本方針第二の考え方
(3) 改善の基本方針第三の考え方
(4) 改善の基本方針第四の考え方
3 改善の具体的事項 ―現行(従前)のものとの比較―
(1) 「各教科の学習の記録」の欄について
(2) 「総合的な学習の時間の記録」の欄(新設)について
(3) 「特別活動の記録」の欄について
(4) 「行動の記録」の欄について
(5) 「進路指導の記録」の欄について(移動)
(6) 「総合所見及び指導上参考となる諸事項」の欄(新設)について
第2章 改善点をどう生かすか
1 記入の手順
2 評価資料の収集
(1) 知識の量のみの評価観から脱皮し情報資料を収集する
(2) 多くの場面から情報資料を収集する
(3) 多くの観察者から情報資料を収集する
(4) 継続的に情報資料を収集する
(5) 一面的な評価観から脱皮した情報資料を収集する
3 評価資料の生かし方
(1) 「点の評価資料」から「面や立体の情報」にする
(2) 資料を集約整理し総合化させる
(3) 学校で総合化の対応トレーニングをする
(4) 学校や学年で統一性をとる
(5) 指導と評価を一体化させる
4 評価資料の集約方法の具体的な工夫例
(1) 評価資料の収集の工夫例
(2) 校内で統一した「補助簿」の利用
(3) コンピュータの利用
第3章 指導に関する記録の文例
1 各教科の学習の記録
@ 絶対評価と相対評価
A 国語科 観点別学習状況のとらえ方
B 社会科 観点別学習状況のとらえ方
C 数学科 観点別学習状況のとらえ方
D 理 科 観点別学習状況のとらえ方
E 外国語(英語)科 観点別学習状況のとらえ方
F 音楽科 観点別学習状況のとらえ方
G 美術科 観点別学習状況のとらえ方
H 技術・家庭科 観点別学習状況のとらえ方
I 保健体育科 観点別学習状況のとらえ方
J 評定の考え方
2 総合的な学習の時間
第1学年/ 第2学年/ 第3学年
3 特別活動の記録
(1) 特別活動の内容及び趣旨の理解
(2) 評価の進め方についての考え方
(3) 評価基準・評価の観点の設定の考え方
(4) 総合所見及び指導上参考となる諸事項の記入例
第1学年/ 第2学年/ 第3学年
4 行動の記録
(1) 項目のとらえ方と評価法
(2) 評価情報の収集と累積,的確な評価
(3) 各項目の解説と所見の文例
基本的な生活習慣/ 健康・体力の向上/ 自主・自律/ 責任感/ 創意工夫/ 思いやり・協力/ 生命尊重・自然愛護/ 勤労・奉仕/ 公正・公平/ 公共心・公徳心
第4章 総合所見及び指導上参考となる諸事項
1 この項目全体の考え方
2 諸事項の考え方
@ 各教科や総合的な学習の時間の学習に関する所見
A 特別活動に関する事実及び所見
B 行動に関する所見
C 進路指導に関する事項
D 生徒の特徴・特技、奉仕活動、学力検査など指導上参考となる諸事項
E 生徒の成長の状況にかかわる総合的な所見
3 総合所見及び指導上参考となる諸事項の具体的記述例
第1学年/ 第2学年/ 第3学年

まえがき

 今回の指導要録の改訂は,戦後(昭和24年,中学校の「累加記録摘要」が「生徒指導要録」と改めて以来),第6回目のものとなる。

 改訂の度ごとに,現場ではそれ相応の反響をよんできたが,今回は,とりわけ,21世紀初頭の改訂でもあり,かつ,「総合的な学習の時間」の創設等もあって,新しい学力論としての「生きる力」をどう評価するか,学校現場での関心も一段と高くなっている。

 大枠としては,指導要録の構成条件である「学籍に関する記録」(様式1,保存期間20年)と,「指導に関する記録」(様式2,保存期間5年)とを別葉にすることに変わりはないが,様式それ自体を「案」から「参考様式」と提示するように,都道府県単位での指導要録の取り扱いや,各学校ごとの評価・評定の内容研究などに,相当の弾力性や幅をもたせていることにも大きな注目が集まっている。

 特に,後者「様式2」指導に関する記録については,その核心としての「学力観」の転換,いわば,一人一人の生徒に,どのように「自ら学び自ら考える力」が育ったか,また,どのように個々の生徒のよさや特徴がとらえられたか,など,広く学校生活全般(地域での生活状況等も含む)での,生徒の成長や進歩の足跡が的確に記録されるよう,記入者,教師個々の「評価観」の革新をも期待されているからである。

 その意味で本書は,今回の改訂の趣旨をふまえて,次の三つの点に留意し,その内容を構成した。

 まず第一点は,新しい指導要録のねらい,改善の視点などを具体的,重点的に取り上げ,現行のものを基礎に,対比的に分かりやすく説明したいと考えたこと。

 第二点は,日常の教育活動の中で,指導要録に記入すべき事柄,資料などを,どのように収集し,組み立てるか,新しい実践例(コンピュータ利用の長短等)を含め,幅広く多様に紹介しようと努めたこと。

 そして第三点は,本書が最も力を入れた点であるが,「指導に関する記録」の全内容について,一つ一つ,具体的に,細かな記入文例を用意し,それぞれの「観点」や「項目」の考え方,また,学年別の特性などを明らかにしたこと,である。

 いずれも,生徒一人一人の可能性,優れた点,長所,取柄,特技等を積極的に見いだし,これをさらによりよく伸ばすため,どのような方向に生徒を導き,どんな点に援助,支援の手をさしのべるか,今次の学習指導要領の理念に即応した,「個に応じた指導の充実」に,その評価が生きるよう,本書をまとめていったものである。

 幸いなことに,平成4年刊行の旧版は,多くの類書,解説書があるにもかかわらず,多大な支持を得,版を重ねることができた。新版もぜひ,実践現場の研究・研修,そして実務に,大いに活用されていくことを願ってやまない。

 特に,生徒指導の最前線にある学級担任が,一人一人の生徒を見つめること,見守ること,励まし前進させること,それがいかに大切なことであるか,本書を通じて何らかの手がかりをえることができるならば,ほんとうにうれしいことである。

 末文となったが,本書の執筆分担にこころよくご協力いただいた先生方,また,本書の企画,実現に,誠心,意を尽くしてくださった,明治図書の仁井田康義氏には心より感謝し,まえがきを閉じたい。


  平成14年2月   編著者 /井上 裕吉

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      明治図書

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