- まえがき
- 第1章 特別支援学校での取り組み
- 1 見ることと 分かること
- @「ほっといてください」
- A手で「見る」
- Bイメージと主体性
- C生活の主人公に
- D成長をサポート
- 2 知的障害教育に求められる専門性とキャリア教育の可能性
- @知的障害教育に求められる専門性
- Aキャリア教育への注目と具体的取り組み
- 3 「子どもを見る」ということ
- @私の人生を変えた“Aくんとの出会い”
- A「子どもを見る」ことを目標に
- B「子どもを見る」ことを問い続けて
- C「ありのままの子どもを見る」ことへのこだわり
- D「子どもを見る」ということ
- 4 「先生,○○やってみたい」
- @生徒の声
- Aみんな一人一役
- B学びの場を「地域」に求めて
- C卒業生が教えてくれた視点
- 5 エピソードから見る,私が心がけていること
- @プールのエピソード
- A子どもから学ぶ
- B肯定的にとらえる
- C安心を与える
- 6 あえて,聴覚障がい児教育の基本を考える
- @新任の先生への期待
- A聞こえを理解する
- Bことばの発達を理解する
- C手話を理解する
- D「学び合い」の授業力を高める
- E最後にこのことばを
- 第2章 特別支援学級での取り組み
- 1 病気を抱えた子どもになぜ教育が必要なのでしょう
- @「元気なったらおいで」
- A教育だからできること…肯定的自己認知をもてるように
- 2 お互いを尊重し合う「インクルーシブ」
- @交流学級の取り組みから
- A「場の共有」をこえた「インクルーシブ」
- 3 一人ひとりに合った方法があるはず!
- @できるって楽しい【自己肯定感・自信UP】
- A安心して学べること【居場所づくり】
- B役に立ちたい気持ち【自己実現・仲間意識】
- 4 特別支援学級の魅力と3つの柱
- @小学校特別支援学級の3本柱
- A個別学習
- B小集団学習
- C交流学習
- D3つの柱を軸に
- 5 にこちゃんがいっぱい〜よいことはやってみよう〜
- @「重要な大人」
- A子どもの育ちを見取り,ほめる
- B確かな学びのある授業づくり
- C「学級活動」を大切にした人間関係づくり
- Dやってみる
- 6 安心できる居場所づくりのために〜つながり,つなぎつづけながら〜
- 7 笑顔,考える,つながる
- @授業を通して教育を実践
- A子どもの笑顔,考え,つながり
- 第3章 通級指導教室での取り組み
- 1 通級指導教室とはどんなところ?
- @ある日の通級指導教室の風景から
- A通級指導担当者の仕事
- B通級指導はやっぱり楽しくないと
- 2 通級指導教室で“つなぐ”支援を
- @子ども本来の姿
- A家族と“つなぐ”
- B在籍校と“つなぐ”
- C医療・福祉・行政と“つなぐ”
- D“つながっている”安心感の中で
- 3 個別の教育相談を重視する中学校通級指導教室
- @通級指導教室の有利性と閉塞性
- A通級生は「非常識で勝手なヤツ」か?
- B傾聴と言語化
- C言葉が行動を調整する
- D学びの連続性
- あとがき
まえがき
今,日本の教育はインクルーシブ教育システムの構築に向けて動き出している。これは,「共生社会」の形成に向けた教育の大きな方向性である。中央教育審議会初等中等教育分科会は「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」の中で,障害のある子どもとない子どもが同じ場で共に学ぶことを追求するとともに,一人一人の子どものニーズに応じた学びの場を用意することが重要であると指摘している。そして,通常の学級,通級による指導,特別支援学級,特別支援学校といった連続性のある「多様な学びの場」が示されている。
本書では,通常の学級以外の「多様な学びの場」でそれぞれの先生方が子ども達と一緒に大切になさってきたことをご執筆いただきたいと考えた。それぞれの先生方のこれまでのご実践,ご研究について自由に綴っていただくようお願いした。また,既刊の本シリーズ『THE 特別支援教育〜通常の学級編』も合わせてお読みいただくことで,「多様な学びの場」での子ども達の姿を浮き彫りにできればと考えた。同時に,それぞれの場での教育のつながりを考えるヒントになればとも思う。本書が「共生社会」の形成に向けた取り組みの意味を考え,多くの方々の「意識」を刺激するきっかけになれば幸いである。
/青山 新吾
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- 明治図書