LD,ADHD&ASD 2013年7月号
6.5%だけじゃない!教室の中の多様な子どもたち

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LD,ADHD&ASD 2013年7月号6.5%だけじゃない!教室の中の多様な子どもたち

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ジャンル:
特別支援教育
刊行:
2013年6月24日
対象:
小・中
仕様:
B5判 68頁
状態:
絶版
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目次

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特集 6.5%だけじゃない!教室の中の多様な子どもたち
特集について
柘植 雅義
概論
通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について(平成24年12月5日)
樋口 一宗
解釈
今回の調査から見えてくるもの
上野 一彦
事例
1【子どもの多様性への気づき(通常の学級の教師自身からの気づき)】
学習困難・問題行動など困り感の背景にある特性の理解を!!―しつけ問題・わがまま・努力不足…そうじゃない!―
久保 宣子
2【子どもの多様性への気づき(外部の専門家からの指摘)】
他との連携で支援の在り方を見つめ直す―特別支援教育コーディネーターとの取組を通して―
阿部 央資
3【多様性の把握(特別支援教育の校内委員会で)】
生徒の多様性に応じた,よりよい支援を
本道 利枝子
4【多様性の把握(外部の専門家からの支援をもらって)】
指導や支援の中で行う多様性の把握―通級による指導を行う担当者としての取り組み―
加藤 佳津雄
5【支援方策の検討・支援計画の作成(コーディネーターの活躍)】
支援が必要な子どもに気づき,必要な支援を実践するために―気づき→見立て→具体的な手立ての実践―
木下 知登美
6【支援方策の検討・支援計画の作成(教員で協議して(校内委員会))】
「ツール」と「システム」の活用
渡辺 圭太郎
7【支援の実際(明確な診断のある子,通級を利用している子)】
障害の特性を「個性」と言えるまで
日野 久美子
8【支援の実際(通常の学級の中だけでの少しの支援)】
みんなでちょっとだけのできること
喜友名 朝美
Essay
課題山積!特別支援教育のさらなる推進に向けて
瀧本 寛
子どものページ
いちど視たもの
高畠 優作
親の会・JDDネットニュース (第46回)
ディスクレシアな人が社会を変える
藤堂 栄子
医療との連携 (第46回)
医療が特別支援教育と連携してできること
平谷 美智夫
実践の小箱/臨床学校現場から (第44回)
障害の有無に関わらず,自己存在感溢れる学級づくりを通して
八木 悟
〜SGE・MAPを使った学級経営実践〜
Newsな視点 (第2回)
発達障害への求刑を上回る判決を考える
堀江 まゆみ
〜「発達障害者と社会をつなぐトラブルシューター」への期待〜
あなたの街のサポートセンター! (第2回)
大阪市発達障がい者支援センターエルムおおさか
井上 芳子
親から先生への一言〜保護者のホンネ〜 (第2回)
ホントの気持ち,届いていますか?
はあと
困っている子みんなに個別の教育支援計画と指導計画を!
井川由佳子
言葉を大切に
H.M
同情するなら支援をくれ!
すず&リュウ
特別支援教育の視点で授業改善・学校改革 (第2回)
学校改善の3本柱―生徒指導,授業改善,特別支援教育の質的改善
原田 浩司
在籍クラスの授業にいきる!読み書き支援のとっておきアイテム (第2回)
読み取りが苦手な子どもへの支援
杉本 陽子
〜その子にとっての「できる」を実感し、安心して授業に参加できる手立てを探す〜
認知の強みをいかす!算数支援 (第2回)
つまずきの背景にある認知特性とそれを踏まえた援助介入
名越 斉子
一度は手にしたい本
『家族5人 違っているからおもしろい』(笹森史朗著)/『あなたは人生に感謝ができますか?』(佐々木正美著)
野村 東助
編集後記
柘植 雅義

特集について 6.5%だけじゃない!教室の中の多様な子どもたち

国立特別支援教育総合研究所 上席総括研究員/柘植 雅義


通常の学級には,多様な子どもたちが学んでいます。

そのような子どもたちの中には,多くの支援が必要な子もいれば,少しだけ支援が必要な子もいます。もちろん,ほとんど支援が必要ない子もいます。

また,何らかの発達障害があり,たとえば,LD,ADHD,あるいは自閉症などと診断を受けている子もいるでしょう。何らかの診断がある子は,そうでない子よりも,多くの支援が必要となることが多いでしょうし,発達障害と一括りにいっても,必要な支援は一人一人異なります。また,明確な診断はないものの,発達障害の特性をいくつか持っていて,それにより支援が必要となる子もいます。

このように,発達障害があると,どの子も同じような支援が必要であるとも限らず,さらにまた,発達障害ではなくとも,発達障害の子が持つ様々な類似した困難を示し,それにより,あれこれ多くの,また,少しの支援が必要となる場合があるのです。

まさに,教室の中に多様な子どもがいるように,子どもたちに対する支援も多様です。

したがって,通常の学級では発達障害の子どものみならず,似たような困難を示す子ども一人一人の実態を把握し,必要な支援を決めていくことがとても大切になります。


さて,文部科学省が行った全国調査の結果が,2003年3月に示されました。6.3%というものでした。それからほぼ10年ぶりに,同様の調査が実施され,2012年12月に公表されました。その結果は,6.5%でした。しかし,その6.5%には該当しない子の中にも,似たような困難を示す子どもはある意味,連続的に存在するのではないかと考えられます。


そこで,今回は,「教室の中の多様な子どもたち」というテーマで,通常の学級における子どもの多様性と支援の多様性を考えていきたいと思います。

特に,子どもの多様性にどのように気づいていくか,多様性をどのように把握していくか,そしてそのような多様な子どもの支援をどのように決めていくか,そして,支援していくかについて,実践事例から考えていきたいと思います。

そして,通常の学級で学ぶどの子も,その子に合った必要な支援が受けられることを願っています。多すぎることなく,少なすぎることなく。

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