- 特集 主体的に考える!思考力・想像力を育てる授業の工夫
- 特集について
- 提言 主体的に考える!思考力・想像力を育てる授業の工夫
- 駆使する思考を明確にする教師の関与―「しっかり考えよう」からの脱却―
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- 批判的思考力を育てる学習環境デザイン
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- 思考力を育てる授業のために―学力調査問題の「具体的に述べる」ことを例にして―
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- 能力の基盤となる漢字・語彙の力
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- 教材の表現を丁寧に読む
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- 応答で鍛える思考力・想像力
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- 小学校・実践授業の展開
- 低学年
- 子どもたちが主体的に読んで書こうとする授業づくり―「すごい!」がわかるじどう車ずかんを作ろう―
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- グルメリポートを書こう
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- 読書へと誘うブックトーク活動―「スーホの白い馬」の実践から―
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- 中学年
- 発表ボードで友達の感じ方の違いに気付く―「世界一美しいぼくの村」を例に―
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- 思考力・判断力・表現力を育成する国語科における授業づくり
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- 子どもが自ら考えたくなる説明文の授業
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- 高学年
- 一人一人が楽しく読むことができる国語科学習を目指して
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- 伝記教材で主体的な学びを創る(習得から活用へ)―「伊能忠敬」を例に―
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- 複数の本や文章を関連付けて読む
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- 中学校・実践授業の展開
- 1学年
- 思考力・想像力を育む文学的文章を教材とする授業づくりの工夫―「少年の日の思い出」と「一房の葡萄」の「重ね読み」―
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- 説明的文章の段落指導の工夫
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- 2学年
- 文学的文章を読み浸る授業を目指して―「オツベルと象」で語り手を読む―
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- 思考力・想像力を育てる「書く」活動―対話劇をつくろう―
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- 3学年
- 生徒が主体的に読む「故郷」
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- 学習意欲を高め、古人の価値観について思考・想像する授業
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- 言語活動の充実を図る言語環境の整備 (第21回)
- 読みの充実へとつなげる言語環境の工夫
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- 書籍紹介 (第3回)
- 国語科授業づくり 10の原理・100の言語技術 義務教育で培う国語学力
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- THE 教師力ハンドブック 音読指導入門 アクティブな活動づくりアイデア
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- 最新国語ニュース (第3回)
- 小学校国語科映像指導資料「言語活動の充実を図った『読むこと』の授業づくり」を公表A
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- 国語授業をアクティブにデザインする (第3回)
- 「対話」のある国語教室をつくる
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- 続 国語授業・始めの一歩 (第3回)
- 交流する
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- 新しい時代の国語科授業づくり応援講座 (第3回)
- 短時間学習
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- 言葉の力を育む文学の授業 (第9回)
- 再読の楽しみ、再々読の探究
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- 〜自分のものの見方を問う〜
- 未来を生きる子供たちのための国語科授業改革 (第3回)
- 論理的に思考し、言葉を吟味する書く能力の育成
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- 新国語科授業改革論―アクティブ・ラーニングへの挑戦― (第21回)
- あなたは、これらの課題をどのように解決しますか
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- 〜課題解決の過程を話し合い探究する学習を〜
- 編集後記
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- 今月取り上げた教材
- 8/9月号
特集 主体的に考える!思考力・想像力を育てる授業の工夫
授業のなかで,子どもたちが「考えるといろいろなことがわかってくる」「だんだん様子が思い浮かんできた」などの感想をもつ場面に出会うことがあります。例えば次のような場面です。
・自分が今まで気づかなかった考えに出会った。
・教師やクラスの友達が投げかけた問いに答えを出そうとしている。
・文脈の中の言葉の意味を探究する。
子どもたちは,普段の生活や活動のなかでたくさんの思いや考えを抱きますが,授業ではそれよりも深いところで「考える」ことにある手応えを感じているといえるでしょう。自ら「考える」ことの楽しさ,大事さに思いをいたすことのできる授業は,子どもたちを成長させます。
言語力育成協力者会議(平成19年8月)は,言語の役割を「知的活動(特に思考や論理)」,「感性や情緒」,「コミュニケーション(対話や議論)」ととらえ,役割に応じた指導の充実を求めています。また同時にそれらは相互に関連するものであるから統合的な指導についても留意することに触れています。本特集で取り上げた「思考力」「想像力」は国語科の目標の中核をなす力ですが,それらは子どもたちのなかに別々に育つというよりも相互に高め合って発揮されているととらえられます。
思考力には,論理的思考,批判的思考等が含まれます。説明的文章にみられるような教材特性によって喚起されると共に,授業での学習者どうし,教師と学習者の応答のなかで発揮されます。想像力は,やはり文学的文章等の教材特性によって引き出されると同時に,授業のなかでの語彙や語句をめぐるやりとりのなかで常にはたらく力といってよいでしょう。文章の種類の特性に合わせたさまざまな授業の工夫に加えて,子どもの思いや考えの深まりに焦点をあてた新しい授業実践が切り拓かれることが待たれます。子どもたち自身が,考えることの楽しさや考えてわかるようになった喜び,あらたに世界が見えるようになった驚きを自ら意識できるような授業にはどんな工夫があるでしょうか。
本特集では,上記のような問題意識のもと,全国の研究者や専門家のみなさまによるご提言と学校現場でご活躍中の小学校と中学校の先生方の実践授業の展開によるご提案をお願いしました。
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