社会科教育 2009年10月号
“調査→思考→表現”パターン授業の脱出法

C606

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社会科教育 2009年10月号“調査→思考→表現”パターン授業の脱出法

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ジャンル:
社会
刊行:
2009年9月8日
対象:
小・中
仕様:
A5判 138頁
状態:
絶版
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目次

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特集 “調査→思考→表現”パターン授業の脱出法
“調査・思考・表現”→時間配分の目安は―を聞かれたら
写真資料を使った一時間の授業の場合
山口 正仁
思考の時間の十分な確保を
平澤 香
ごみの学習ではこの時間配分で
福原 正教
“調査・思考・表現”の関連性を見直すヒント
三つの活動の双方向性をどう具体化するか
北 俊夫
新指導要領“調査・思考・表現”関連付け表記にみる特徴
小学校“調査・思考・表現”関連付け表記にみる特徴
柳下 則久
中学校“調査・思考・表現”関連付け表記にみる特徴
岩谷 俊行
“調査→思考→表現”ワンパターン授業から転換したい単元とは
3年“調査→思考→表現”ワンパターン授業から転換したい単元
吉田 和義
4年“調査→思考→表現”ワンパターン授業から転換したい単元
馬野 範雄
5年“調査→思考→表現”ワンパターン授業から転換したい単元
西尾 哲孝
6年“調査→思考→表現”ワンパターン授業から転換したい単元
野 英司
中学地理“調査→思考→表現”ワンパターン授業から転換したい単元
大野 新
中学歴史“調査→思考→表現”ワンパターン授業から転換したい単元
藤原 隆範
中学公民“調査→思考→表現”ワンパターン授業から転換したい単元
岩野 清美
「この単元」で“調査・思考・表現”をどう組込むか
3年「お店の学習」でする“調査・思考・表現”
大田 英樹
4年「わたしたちの大阪府」でする“調査・思考・表現”
武中 大輔
5年「情報って何だろう?〜情報のつくられ方について考える〜」でする“調査・思考・表現”
梅津 正美
6年「幕末から明治の日本」でする“調査・思考・表現”
吉田 正生
中学地理「他地域との結びつき」でする“調査・思考・表現”
日下部 和広
中学歴史「大正デモクラシー」でする“調査・思考・表現”
瀬戸 勝
中学公民「身近な地域の国際化」でする“調査・思考・表現”
山辺 慎太郎
シンポジュウム “調査・思考・表現”→パターン授業の何が問題か
提案
パターン「脱出」への授業づくりに向けて
吉川 幸男
意見
「思考」を軸に調査・表現を多様につなぐ工夫を
澤井 陽介
トップダウン型の「脱出」方法は考えられないか
片上 宗二
「パターン」をうまく「活用」する―模倣や流行に抗して
金馬 国晴
意見を読んで
教師としてのパターンの功罪
吉川 幸男
小特集 新要領“動態地誌”への転換でどこが変わるか
動態地誌とは? 静態地誌との対比で考える
山口 幸男
なぜ、動態地誌への転換が必要であったのか?
赤坂 寅夫
動態地誌で教材観・授業づくりはどう変わるか
藤原 正治
こうしてつくる近代化遺産の教材開発
日本橋界隈の近代化遺産
山田 喜一
おもしろ社会科研究:雑記帳
日本と「アジア」の共通点・相違点
大野 佑樹
わが教室の壁面利用&社会科準備室
教室の壁面が日本全国に開く扉になる
恒川 徹
社会科版 免許更新ニュース
北海道/授業力を伸ばすために:教科論? 社会・人文諸科学のやり直し?それとも?
吉田 正生
新装!社会科副読本の編集コンセプト―新教材の開発とページづくりのヒント
火災で「法やきまり」を指導する紙面構成
北 俊夫田邉 源裕
領土問題・世界史の中で考える
アフリカ諸国の領土・民族問題とその背景
原田 智仁
“この歴史用語”―誕生秘話と生育史の謎を解く
「百貨店」の誕生
村井 淳志
〜流通業の主役はいつの時代も、社会変化の底流を読み、インフラの整備を踏まえ、最先端のイノベーションを総結集して、ビッグビジネスを創出する〜
小学校 社会科移行期の研究スキル
地域資源の保護・活用A伝統工業の取り上げ方にみる新教材の発掘・開発
安野 功
中学校 社会科移行期の研究スキル
言語活動の充実を図る教材開発スキルB
大杉 昭英
〜地理的分野その2〜
授業参観・私のドッキリ日記
森信三氏の「授業参観」観
阪部 保
私の乱読日記
10月
歴史の哲学と暦の数理に日本人の美意識を読み取る
棚橋 健治
佐々木俊尚著『2011年 新聞・テレビ消滅』文藝春秋 平成二一年七月刊
新保 元康
わが県の情報 ここに「この授業あり」 (第139回)
富山県の巻
水上 義行
編集後記
樋口 雅子
旧国名で社会科をゲットせよ
神々からのアドバイス
出原 真哉

編集後記

◯…北先生から、

「どうも、授業がワンパターンになっているのではないか。表現をゴールに据えるという考えで授業を組み立てることが多いように思える」

というご発言があり、そういう調査(観察、資料活用、などを含む)→思考(判断を含む)→表現と、授業の流れがワンパターンになってしまってはまずいのではないか?ということになり、特集を企画しました。

ところで、この特集とも深く関係する問題提起として気にしていた論文があります。

小誌、昨年の12月号で山口大学の吉川幸男先生が、新指導要領には社会事象の学び方に関してトリプルスタンダードが内在すると指摘されていた点です。

つまみ食い的な紹介になりますが、

Aは、「静止画像型」の学び方。

たとえば、都道府県の名称のような問題が、基礎的ということで、そこに現れる知識が客観的で確定的であるかのように身につける学び方が行われている。しかし、道州制になったらすぐ学び直さなければならなくなる―と。

Bは、「ドラマ型」の学び方。

小学校でいえば先人の働きとか、中学歴史でいえば「歴史が人間によってつくられ〜」というような学習。

Cは、「ワーキング型」。

小学校では観察や見学・調査など体験的活動や考えたことを表現するなどの表現活動の充実が求められ、中学でも、考えたことの説明や資料の解釈、議論などの工夫が促されている。

つまり∧AからCの3つの異なる学び方を、内容によって使い分けるトリプルスタンダードでは社会科としての統一的な学習が解体していく可能性もある∨―というところにあるようです。

こういう観点からも、調査→思考→表現の授業組み立ての流れを再検討していただきました。

〈樋口雅子〉

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